まずは原文から!
是(これ)より乘(の)り込む汽車の窓
見かへる臥牛(がぎゅう)の山消えて
緑果てなき牧場も
秋は桔梗(ききょう)の花ざかり
さらに読みやすく!
これより乗り込む汽車の窓
見かえる臥牛(がぎゅう)の山消えて
緑果てなき牧場も
秋は桔梗(ききょう)の花ざかり
さあ、歌ってみよう!!
♪これよりのりこむ きしゃのまどー
♪みかえるがぎゅうの やまきえてー
♪みーどりはてなき ぼくじょうもー
♪あーきはききょうの はなざかりー
(函館本線)
函館駅→桔梗駅→七飯駅→新函館北斗駅→大沼公園駅→駒ヶ岳駅→森駅→八雲駅→国縫駅→長万部駅→黒松内駅→比羅夫駅→倶知安駅→然別駅→余市駅→蘭島駅→塩谷駅→小樽駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋
函館観光を終え、ここからは列車の旅へ
函館観光も終わり、いよいよJR北海道の旅に出かけます。
鉄道唱歌では、この5番にしてようやく列車に乗ってスタートするというストーリーになります。
私(筆者)は函館が大好きなので、函館駅を出発するときはいつも名残惜しく感じます。
朝・函館を出ると、普通列車でも夜に札幌に到着できる
青春18きっぷや北海道東日本パスを使用して普通列車のみを利用するという難易度の高い方法を選択する場合、朝の8時台に函館をスタートし、11時台に長万部に到着、約2時間の待ち合わせの後に13時台に倶知安行きに乗り、小樽には夕刻あたりに着き、札幌には夜に着くことになります。
【函館から札幌に普通列車のみで行くときのスケジュール例】
※以下、2022年ダイヤにて表記
08:17 函館発 函館本線・長万部行
11:24 長万部着
13:29 長万部発 函館本線・倶知安行
15:02 倶知安着
15:17 倶知安発 函館本線・小樽行
16:27 小樽着
18:30 小樽発
快速エアポート192号・新千歳空港行
19:07 札幌着
上記のスケジュールだと、朝に函館を出発して、夜までには普通列車のみで札幌に着くことができます。
函館駅を出て、後ろに消える函館山(臥牛山)
函館駅をキハ40(国鉄型の気動車。「電車」ではない)などの車両に乗ってスタートすると、バックに函館山が後ろに消えていくのが窓から見えます。
歌詞に「臥牛(がぎゅう)の山」とありますが、これは函館山(はこだてやま、標高334m)のことをいいます。
函館山はまるで牛が臥(ふ)せている(うつ伏せ)みたいにみえることから、
「渡島の臥牛山(おしまのがぎゅうざん)」
なる別名もあるようです。
なお、似たようなネーミングの山に、静岡県沼津市にも牛臥山(うしぶせやま)という山がありますね。我入道(がにゅうどう)海岸にある、あの山です。あれもまさに牛が臥せているようにみえるので、牛臥山と名付けられたようですね。
鉄道唱歌東海道編12番にも「♪沼津の海に聞こえたる 里は牛臥我入道~」と歌われていますね。
函館山(はこだてやま、標高334m)は、約100万年ほど前に海底火山の噴火によって積もった物(堆積物)で作られた山で、元々は山というよりも孤島でした。
しかし、約5,000年前に、函館市内を流れる亀田川が山の方から運び続けてきた砂が長年に渡って溜まり続け、砂州(さす)となって陸続きとなりました。
北海道で最も歴史が古い、函館本線
函館本線(はこだてほんせん)は北海道でも最も歴史の古い部類の路線になります。函館駅~新函館北斗駅と、小樽駅~岩見沢駅の区間以外は、電気ではなくディーゼル等で走る「非電化区間」なので、キハ40などの気動車で走ることになります。キハ40は、国鉄(日本国有鉄道。JRの前身)の時代に1970年代~1980年代にかけて数多く製造された車両です。現在でも、北海道ではバリバリの現役で、北海道では二重ガラス構造なので冬でも車内は暖かいです。夏は、冷房ではなく扇風機+窓全開、という形になります。窓から北海道ならではの夏の涼しい風を全身に受けられますが、窓から入ってくる強烈な風に注意しましょう。また、線路にシカ等が乱入すると大きな汽笛を鳴らすため、こちらも驚かないよう注意しましょう。
車内はトイレがついているため、長時間の乗車時も安心です。
「道南いさりび鉄道」との分岐駅・五稜郭駅
函館駅から1つ北へいくと、五稜郭駅(ごりょうかくえき、北海道函館市)に到着します。駅名から、五稜郭への観光への最寄駅にも思えますが、実際には函館駅から市電で向かった方が観光には便利といえるでしょう。
五稜郭駅は、「道南いさりび鉄道」との分岐点でもあります。道南いさりび鉄道は、新幹線駅でもある木古内駅まで続く路線ですが、元々は2016年まではJR北海道「江差線(えさしせん)」でした。しかし、2016年に北海道新幹線が開業し、それに伴いJRから経営分離されました。つまり、青森~青函トンネル~函館の移動は、北海道新幹線に譲ったということですね。しかし、新幹線が出来たからといって江差線を丸ごと廃止すると、今度は沿線住民の方々の交通手段が限られてしまうので、民間会社の道南いさりび鉄道に経営が引き継がれたわけですね。
また、その江差線も元々は渡島半島(おしまはんとう。函館のある、北海道の南に突き出た半島のこと)のに西海岸にある江差町(えさしちょう)という漁港・港町を結ぶ路線でした。つまり、木古内駅からさらに西に江差駅まで延びていたのです。
元々は江差で採れたお魚を大量に運ぶために貨物路線として賑わいましたが、1960年代以降に車社会への移行(モータリゼーション)が進み、貨物列車の衰退とともに沿線の利用客も減ったことで、2014年に木古内駅~江差駅間は廃止されてしまいました。
現在では、江差町まで交通機関で移動するには、木古内駅からバスを利用することになります。
桔梗駅に到着
五稜郭駅を過ぎると、今度はGLAYの出身地としても知られる街の最寄駅である桔梗駅(ききょうえき、北海道函館市)に到着します。
歌詞に出て来る「桔梗(ききょう)」というのは、本来であればムラサキ色の綺麗なお花のことですが、ここに出て来る桔梗というのは、歌詞の流れから察するに函館駅から3つ隣の桔梗駅のことで間違いないかと思います。
あくまで推測ですが、鉄道唱歌の当時は、この近辺では緑豊かな牧場が広がり、秋になると桔梗の美しい花が咲き乱れていたのかもしれません。もちろん、桔梗駅に因んだ歌詞の選定ということもあるでしょう。
私も桔梗駅で降りたことあります。
鉄道唱歌では、桔梗のほかに女郎花(オミナエシ)、苅萱(カルカヤ)、菜種(なたね。アブラナの種で春の風物詩)などの美しいお花や植物の名前がたくさん登場するので、沿線の窓の景色を眺めるときの参考にするとよいでしょう。
前述した通り、桔梗は日本を代表するロックバンド・GLAYのメンバーの出身地としてファンの間では知られています。
幼き頃のTERUさんらGLAYのメンバーがこの地を駆け回っていたかと思うと、ファンにとってはまさに聖地ですね!
次は、七飯駅に止まります!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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