鉄道唱歌 北海道編 南の巻第6番 七飯町に到着!

まずは原文から!

人參(にんじん)植ゑ(うえ)て 杉植ゑ(うえ)て 
百年ぢかくの昔より 
開墾(かいこん)せられし七飯(ななえ)村 
農産(のうさん)よそには勝(まさ)れたり

さらに読みやすく!

にんじん植えて 杉植えて 
百年近くの昔より 
開墾(かいこん)せられし七飯(ななえ)村 
農産(のうさん)よそには勝(まさ)れたり

さあ、歌ってみよう!!

♪にんじんうーえて すぎうえてー
♪ひゃくねんぢかくの むかしよりー
♪かいこんせられし ななえむらー
♪のうさんよそには まされたりー

(函館本線)
函館駅→桔梗駅→七飯駅→新函館北斗駅→大沼公園駅→駒ヶ岳駅→森駅→八雲駅→国縫駅→長万部駅→黒松内駅→比羅夫駅→倶知安駅→然別駅→余市駅→蘭島駅→塩谷駅→小樽駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

北海道鉄道唱歌 南の巻第6番の舞台は、上記の七飯駅(ななええき、北海道亀田郡七飯町)です。

七飯駅(北海道亀田郡七飯町)

歌詞では七飯村となっていますが、現在は七飯町です。


七飯町(ななえちょう)は、函館市と北斗市の間にある町で、函館市へのアクセスが非常によく、函館市のベッドタウンとして機能していてもおかしくなさそうな町です(実際、そうらしいです)。

七飯町は当時の北海道の玄関口であり国際都市でもある函館に近いことから、多くの外国人の方々がここにやってきて、新たに彼ら独自の西洋式の農業を始めた農村として発展しました。そのため、七飯町は「西洋農業発祥の地」として有名です。
函館に移り住んだ多くの欧米諸国の人々が、当時の西洋の最新の農業技術を用いて、ここを道南屈指の農村に発展させていったのでしょう。

ニンジン(人参)の生産量は、七飯町擁する北海道がダントツ一位です!

また、江戸時代にかつて「七飯村」だった頃には、当時の北海道(蝦夷地)に入ってきた本州の日本人(幕府から「北海道の産業や農業を強くするように」と命じられてやってきた人)が、1800年代前半にスギ(杉)を植えたことから、この辺り(道南地方)での林業が始まったと言われています。鉄道唱歌の時期(1906年)から数えて約100年前だから、計算が合いますね!


スギは基本的に本州のような暖かい場所でしか育たないのですが、道南地方は北海道でも比較的暖かいため、この七飯村でもスギが植えられたようです。
なぜスギを植えたのかというと、それは「木材」が必要だからです。当時の家、家屋は木造建築が当たり前で、それ以外にも様々な家具や日用品で木材は必要でしたし、さらにスギは加工しやすく耐久性やコスパで優れていましたから、多く植えられました。
このように、当時の七飯村は林業や農業などを中心に農産でいち早く普及・発展していったことと思います(ただし現在の北海道は、日本で2位・3位の巨大な面積を誇る十勝平野と石狩平野の農業・酪農などのスケールが桁違いに大きくなっています)。

なお、歌詞にある「勝れたり」の読みは、「まされたり」の他に「すぐれたり」でもよいでしょう。
(私は、どちらで歌ってる例(バージョン)も知っています)

七飯駅から森・長万部方面の列車の本数は非常に限られてくるのですが(長万部行は1日3本、森行は1日6本)、函館方面の列車の本数はそれなりに多いため、函館への通勤・遊び・観光の便はかなりよいと思われます。

近年は全国的に移住を推進するような雰囲気ですから、もし函館への移住を考えている場合は七飯町へ居を構えることも選択肢の一つかもしれません。
七飯町に居を構え、平日は函館で仕事して、休日は函館で遊び・観光・食い道楽といったライフスタイルもいいでしょう。

また近年は場所や時間に囚われない働き方も推奨されてきてもいますから、スタバやラッキーピエロ、カラオケなど飲食店や商業施設が充実している函館でテレワークといった働き方もできるかもしれませんね。

また函館は夏でもそこまで暑くなく気候もいいですから、海のそばでパソコンやスマホ、タブレットを広げて仕事する、といったライフスタイルもいいかもしれません(ただし、いくら函館といっても熱中症には気をつけましょう・・・)。

私も七飯駅で降りたことがありますが、駅前は閑静で綺麗な住宅地という印象を受けました。
また、「あなたも、ななえびとになりませんか?」という七飯町の発行している移住促進パンフレットも印象的でした。

七飯町ホームページ
(移住者向けパンフレットあり)
https://www.town.nanae.hokkaido.jp/hotnews/detail/00002217.html

最後に「なぜ、七飯駅から先は線路が分かれているの?」という疑問です。

七飯駅を出ると、新函館北斗駅方面に向かう「西側のルート」と、新函館北斗駅を通らない「東側のルート」の2つの線路に分岐していくことがわかります。

東側のルートは藤城線(ふじしろせん、または藤城支線)といい、函館本線の一部ではありますが、元々は勾配対策のために作られました。
かつて2016年の北海道新幹線開業前に新函館北斗駅が「渡島大野駅(おしまおおのえき)」だった頃は、渡島大野駅経由の本線は勾配がきつく、列車は勾配に弱いですからその代替ルートとして勾配の緩い藤城支線が1966年に作られたとのことです。かつては特急列車をはじめ藤城支線経由の列車も多かったそうですが、2016年の北海道新幹線開業後は新函館北斗駅が北海道の入口となる重要な駅となったため、新函館北斗駅経由の列車が多くなったようです。

なお、2022年のダイヤで確認したところ、

5時49分函館発 森行
12時35分函館発 長万部行
17時35分函館発 長万部行

以上の列車が新函館北斗駅を通過しないため、藤城支線経由の列車ということがわかります。

しかし、逆をいえば上記の列車に乗ると新函館北斗駅に停車しないため、新幹線利用者の方は上記の列車に乗らないよう、充分注意しなければならないことになります。

なお、藤城(ふじしろ)とは、七飯駅の北数キロ先に広がる地名のことをいい、ここを線路が通るため藤城支線といいます。

七飯駅(北海道亀田郡七飯町)
七飯駅(北海道亀田郡七飯町)

次は、新函館北斗駅に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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