中央線鉄道唱歌 第10番 高尾からは、一気に山岳地帯へ 高尾山、そして相模湖の景色

まずは原文から!

色淺(あさ)からぬ淺川(あさかわ)の
紅葉(もみじ)林(ばやし)に日は落ちて
草より出でゝ入(い)る月の
山の端近き與瀬(よせ)の驛(えき)

さらに読みやすく!

色浅(あさ)からぬ浅川(あさかわ)の
紅葉(もみじ)林(ばやし)に日は落ちて
草より出でて入(い)る月の
山の端近き与瀬(よせ)の駅(えき)

さあ、歌ってみよう!

♪いろあさかーらぬ あさかわのー
♪もみじばやしにー ひはおちてー
♪くさよりいーでて いるつきのー
♪やまのはちかきー よせのえきー

(中央東線)
高尾駅→相模湖駅→上野原駅→四方津駅→鳥沢駅→猿橋駅→大月駅→初狩駅→笹子駅→(笹子トンネル)→甲斐大和駅→塩山駅→山梨市駅→石和温泉駅→酒折駅→甲府駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

八王子駅を出て、高尾方面へ 高尾駅(旧・浅川駅)に到着

八王子駅(はちおうじえき、東京駅八王子市)を出ると、いよいよ(中央線における)東京都の最西端部分に近づいてゆきます。

やがて列車は高尾駅(たかおえき、東京駅八王子市)に到着します。

高尾駅(東京都八王子市)

歌詞にある「浅川(あさかわ)」とは、かつての高尾駅(たかおえき、東京都八王子市)のことです。
高尾駅は、大正時代の開業当初は浅川駅(あさかわえき)と呼んでいました。

また、浅川(あさかわ)は、高尾付近を流れる実際の川の名称でもあります。
浅い川」というくらいですから、まだ橋が無かった昔の人にとっては浅くて渡りやすい川だったのでしょう。昔の人にとっては橋をかけることは非常に大変でしたし(洪水のときに何度も流される)、また川の向こう岸に渡ること自体も大変でした。なので橋をかけずに済む「浅い川」というのは、現代の我々が思っている以上に、昔の人々にとっては重要だったのでしょう。
逆に言えば、「浅い川」だけに水の量が少ないため、水不足や日照りのときには困ることになります。
水が無い川には、昔の人によって水無川(みずなしがわ)という名前が付けられることになります。水無川は、神奈川県秦野市(はだのし)を流れる川です(本当に水がまったく無いわけではありません)。

八王子・高尾の名スポット・高尾山

高尾の観光スポットとして、絶対に外せないのが、何と言っても高尾山(たかおさん、標高599m)です。
高尾山は都心からも比較的容易に来ることができ、ケーブルカーなどを駆使すれば頂上にも登りやすいので、都内に住む人でも手軽な登山を楽しむことができます。
頂上に登れば富士山まで見えるため、同じ東京都とは思えないほどの美しい自然が辺り一帯に広がります。

高尾山からの富士山(東京都八王子市)

高尾駅で乗り換えて、山梨方面へ

高尾駅から先の大月(おおつき)・甲府(こうふ)・小淵沢(こぶちざわ)・松本(まつもと)といった山梨県・長野県方面へ向かう場合、多くの場合はここ高尾駅で乗り換えることになります。

夕暮れの高尾駅(東京都八王子市)

高尾を出ると、その景色は一気に山岳地帯の様相を呈(てい)するようになります。それはまるで、それまでの東京の都会的な景色がウソのように豹変します。

そして、戦争中に悲劇のあった「湯の花トンネル(いのはなトンネル)」をくぐります。

戦時中、湯の花トンネル付近を走っていた列車が米軍の空襲攻撃から必死に逃げるため、なんとか湯の花トンネルに駆け込みました。
しかし湯の花トンネルは距離が短いため、列車の”後ろの部分”はトンネルからはみ出してしまい、はみ出た部分は米軍機に総攻撃され乗客はみな犠牲になってしまったという、悲劇のトンネルでもあります。
現代でも湯の花トンネルには慰霊碑が建てられ、戦争の悲惨さを思い知らされます。

そして、小仏峠(こぼとけとうげ)という険しい峠道を過ぎてゆきます。
小仏峠(こぼとけとうげ)はちょうど山梨県と関東地方の間に挟まる峠道であり、ここを戦国時代に甲斐国(かいのくに。山梨県)の武田氏と、武蔵国(むさしのくに。東京都、神奈川県の東部)の北条氏が戦(いくさ)の出陣のために何度も通った、まさに甲斐国と武蔵国をバリアーのように隔てる難関の峠道です。

一旦神奈川県(相模原市)に入り、相模湖駅(旧・与瀬駅)へ到着

険しい山道を抜けていくと、列車は間もなく神奈川県(相模原市)に入ります。つまり、ここで一旦神奈川県に入って、その後にすぐ山梨県に入るというイメージです。

そして列車は、旧・与瀬駅(よせえき)こと相模湖駅(さがみこえき、神奈川県相模原市)に到着します。

相模湖(さがみこ)は桂川(かつらがわ)の水がたくさん溜まった一部分であり、桂川はこのあと「相模川(さがみがわ)」に名前を変え、神奈川県茅ヶ崎市(ちがさきし)あたりで相模湾に注ぎます。

次は山梨県に入り、上野原駅(うえのはらえき)に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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