中央線鉄道唱歌 第12番 五百里の深い山々を過ぎゆく 都留地域は甲斐絹織の名産地

中央線鉄道唱歌の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
都留市・(南北の)都留郡の地理や歴史などを、やさしく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

五百重いおえの山は深けれど
人住む里は打ちひら
南北なんぼく都留つる兩郡りょうぐん
甲斐かい絹織きぬおり名産地めいさんち

さらに読みやすく!

五百重いおえの山は 深けれど
人住む里は 打ちひら
南北なんぼく都留つるの 両郡りょうぐん
甲斐かい絹織きぬおりの 名産地めいさんち

さあ、歌ってみよう!

♪いおえのやーまは ふかけれどー
♪ひとすむさとはー うちひらけー
♪なんぼくつーるの りょうぐんは
♪かいきぬおりのー めいさんちー
(中央東線)
高尾駅→相模湖駅→上野原駅→四方津駅→鳥沢駅→猿橋駅→大月駅→初狩駅→笹子駅→(笹子トンネル)→甲斐大和駅→塩山駅→山梨市駅→石和温泉駅→酒折駅→甲府駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

山々を過ぎ、大月方面へ

鳥沢駅とりさわえき(山梨県大月市)を過ぎると、列車は大月市おおつきしの中心へ向かってゆきます。
また、周りの山々はますます深いものになってゆきます。

歌詞には

五百里の山々は深いけれども、
人々の済む里(村や町)は、打ち開けてきている

と歌われています。

この辺りは、

  • 大月市おおつきし
  • 都留市つるし
  • 北都留郡きたつるぐん
  • 南都留郡みなみつるぐん

などの町がメインとなってきます。

「川」が作る、深い谷と平野部

周囲の山々は深いですが、桂川かつらがわ丹波川たばがわなどの”川の水”によって地面が下へ削られる(侵食される)と、そこには””と”平地”ができます。

つまり、

  1. この川の周辺に出来る、わずかな平地の周りに、
  2. 町や集落が出来て、
  3. 人々の生活や経済活動が行われている

というわけです。

明治時代に織物で栄えた、南北の都留郡

歌詞にあるように、明治時代にこの地域は、「織物」の工業で栄えたわけです。

そのため、出来上がった織物を(例えば甲府や東京などへ)出荷して購入してもらうことによって、人々は生計を立ててきたことが想像できます。

都留市、南都留郡・北都留郡

都留郡(つるぐん)とは

都留郡つるぐんとは、山梨県大月市とその南の都留市の周辺のエリアのことです。

都留郡には、いわゆる「南北」があります。
大月市と都留市を境に、

  • 南都留郡みなみつるぐん
  • 北都留郡きたつるぐん

というエリアに分かれています。

北都留郡

北都留郡きたつるぐんは、大月市から北約5kmほどのエリアであり、小菅村こすげむら丹波山村たばやまむらといった2つの村があります。

南都留郡

南都留郡みなみつるぐんは、大月市の南の都留市つるしよりも南のエリアをいい、富士河口湖町ふじかわぐちこちょうも含む計6つの町村からなります。
富士河口湖町へは、後述するように、大月駅から「富士急行線」に乗って向かうことができます。

また歌詞にある通り、この地域は甲斐絹織かいきぬおりの名産地となります。

「甲斐絹織」の名産地

織物おりものとは、昔の和服・着物のことです。
織物は職人の手によって手間を掛けて造るので、必然的に高価かつ高級なものになります。

しかし、明治時代になると産業革命により、大量生産され価格も安くなります。
そうなると、従来の高価な織物は必然的に衰退してゆきます。
しかし100年も経った現代では、その希少性から伝統工芸品という扱いとなります。
そうなると、今度は昨今の少子高齢化もあって、後継者問題や技術の継承などで悩むようになってきます。
そのため、全国的に地元の自治体によって保存の取り組みがなされています。

富士急線・大月線、河口湖

河口湖かわぐちこ方面へは、富士急線・大月線で行くことができ、大月駅で乗り換えということになります。

こちらは次回解説します。

都留文科大学

山梨県都留市つるしは、大月市の南にある自治体であり、都留文科大学つるぶんかだいがくが所在するため、20代前半の男女の人口の割合が多くなっています。

リニア実験線

リニア実験線(山梨県都留市)

リニア実験線(山梨県都留市)

また、この地域には「リニア実験線」があります。

リニア実験線は山梨県のみならず、宮崎県にもあります。
宮崎県の実験線は現在では使用されていませんが、現在でもその線路跡があり、日豊本線にっぽうほんせんの車窓から眺めることができます。

「リニアモーターカー」とは

リニアモーターカー」は、磁石の力で車両を浮遊させ、時速500kmでの走行を実現する仕組みです。

時速350kmが限界とされている従来の鉄道とは異なり、浮遊するリニア式では線路と車輪による「摩擦係数が小さい問題」がないため、さらなるスピードアップが期待できるわけです。

「摩擦」の問題が生じない、リニア方式

従来の鉄道では「摩擦係数」が小さく、車輪と線路(レール)が完全には(摩擦により)噛み合わずに、実際には微妙な「空転」や「スリップ」が起きながら進んでいます。これによって列車のスピードロスが起きるのです。

しかしリニアは浮遊させているため、このような「摩擦」の問題は起きずにスピードアップが可能となるというわけです。

2027年に「リニア中央新幹線」が開業できれば、山梨リニア実験線も”実際の線路”として利用される予定となっています。

諸問題により、延期されたリニア開業

しかし現在は様々な「リニア問題」により建設はかなり遅れており、2027年の開業は間に合わないことが確定してしまいました(リニア問題については、ここでは割愛させていただきます)。

リニア問題」については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

鉄道唱歌 東海道編 第23番 藤枝・島田を過ぎ、「越すに越されぬ」と言われた大井川を渡る
鉄道唱歌 東海道編を、小学生にもわかりやすく解説しています。鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説します。

次は、桂川・猿橋の話題へ

次回は、「桂川かつらがわ」「猿橋さるはし」の話題となります!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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