中央線鉄道唱歌 第16番 初狩の「矢立の杉」をも過ぎる やがて険しい笹子峠へ

まずは原文から!

いで武士(もののふ)の初狩(はつかり)に
手向(たむ)けし征箭(そや)のあとふりて
矢立(やたて)の杉も神(かみ)さびし
笹子(ささご)の山の峠路(とうげじ)や

さらに読みやすく!

いで武士(もののふ)の初狩(はつかり)に
手向(たむ)けし征矢(そや)のあとふりて
矢立(やたて)の杉も神(かみ)さびし
笹子(ささご)の山の峠路(とうげじ)や

さあ、歌ってみよう!

♪いでもののーふの はつかりにー
♪たむけしそやのー あとふりてー
♪やたてのすーぎも かみさびしー
♪ささごのやまのー とうげじやー

(中央東線)
高尾駅→相模湖駅→上野原駅→四方津駅→鳥沢駅→猿橋駅→大月駅→初狩駅→笹子駅→(笹子トンネル)→甲斐大和駅→塩山駅→山梨市駅→石和温泉駅→酒折駅→甲府駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

大月駅(おおつきえき、山梨県大月市)を出ると、初狩駅(はつかりえき、山梨県大月市初狩町下初狩)、笹子駅(ささごえき、山梨県大月市笹子町黒野田)とに過ぎてゆきます。

初狩駅(山梨市大月市初狩町下初狩)

征箭(そや)」「征矢(そや)」、とは、戦場で使う矢のことを言います。
「箭(や)」は「矢」の旧字体です。

ふりて」とは、「古くなって」という意味です。

神さびし(て)」とは、神格性のある、神様が宿っている、などの意味があります。

矢立の杉(やたてのすぎ)とは、戦国時代に、これから戦(いくさ)に赴(おもむ)く多くの武将たちが縁起担(かつ)ぎのために「矢を立てていった」という杉です。

つまり、
これから戦(いくさ)に挑むぞーっ!!
という武士たちが戦勝祈願のため、たくさんの矢を木に打ち付けていったことから、「矢立の杉」と呼ばれるわけです。

戦国時代は、甲斐国(かいのくに。山梨県)と相模国(さがみのくに。神奈川県西部)との間で、よく戦(いくさ)が勃発していました。
そして、後の江戸時代に「甲州街道」となるこの地域を、出陣する兵士たちがよく通っていたのでした。

そうした兵士たちの縁起担(かつ)ぎのために、この杉に対して”矢を打ち込んで”いったのでした。
”たくさんの矢”が、この”杉に立っていた”から、「矢立の杉(やたてのすぎ)」というわけです。

矢立の杉は、現在では大月市の観光名所の1つです。
(現在は、杉に矢は立っていません)

ちなみに、初狩と「初雁(はつかり)」は違います。
初雁(はつかり)とは、秋に北の国から初めて飛んでくる渡り鳥のことです。
かつてその昔、上野から青森、延いては函館へ向かう、特急「はつかり号」でその名前が使われていました。
あの「ごっぱーさん(583系)」の青い列車ですね。高度経済成長期、上野~青森を結ぶのに活躍した、団塊の世代にとっては思い出の深い列車です。当時は、青森からは「青函連絡船」で、函館へ向かっていたのですね。
しかし1982年東北新幹線盛岡まで開業してからは、「はつかり」は盛岡~青森のみの運行となりました。当時は東京~盛岡間を新幹線で来て、盛岡~青森を特急「はつかり」に乗り換え、青森から函館へは「青函連絡船」だったのでしょう。
1988年青函トンネルが開通してからは、「はつかり」は「海峡線」を通じて函館まで乗り入れていました。
2002年に東北新幹線が八戸駅(はちのへえき)までに延伸すると、ここで特急「はつかり」は廃止となり、代わりに特急「白鳥」「スーパー白鳥」「つがる」などに役割を譲りました。東京から八戸駅まで新幹線で行き、八戸駅からは特急で青森→青函トンネル→函館へと進んでいたのですね。
2010年新青森駅(しんあおもりえき)が開業すると、東京→新青森駅は新幹線で、新青森駅からは特急に乗り換えて函館に向かっていたということです。
2016年には北海道新幹線が開業したため、東京から新幹線で”乗り換え無し”で函館まで来られるようになりました。

・・・だいぶ話がズレてすみません!
書きながら頭の中で勝手に「はつかり」で北海道まで旅行していました!!

皆さんも頭の中で旅行シミュレーションとか好きじゃないですかね?(^^;)

笹子駅(山梨県大月市笹子町黒野田)

笹子駅(ささごえき)を過ぎると、明治時代の当時としては日本一長いトンネルだった約5,000メートルの「笹子(ささご)トンネル」を通ります。
「日本一の長さ」というのは、まだ1934年の「丹那トンネル(約8000メートル)」すらも出来ていなかった時代だからですね。

江戸時代までは、人々は(偉い人も、参勤交代の大名も、戦へ向かう兵士も、モノを売る商人も)この険しい笹子峠を越えていったわけです。

笹子峠小仏峠(こぼとけとうげ)と並んで、江戸(東京)~甲斐(山梨)の区間を往来する多くの人々の経済活動や移動を阻む障壁となっていました。
逆にいえば、この険しい峠道の地形を利用すれば、敵の侵入を防ぐバリアーのようにもなっていたわけです。

徐々に険しい笹子峠付近を走る(山梨県)
笹子トンネルに入ってゆく(山梨県)

次は、この笹子峠を横に貫く「笹子トンネル」の話題となります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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