鉄道唱歌 奥州・磐城編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
鉄道旅行を楽しむためのノウハウを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
見つゝくゞれるトン子ルの
先は野内か浦町か
浦のけしきの晴れやかさ
さらに読みやすく!
見つつ潜れる トンネルの
先は野内か 浦町か
浦の景色の 晴れやかさ
さあ、歌ってみよう!
♪みーつつくぐれる トンネルのー
♪さーきはのないか うらまちかー
♪うーらのけしきの はれやかさー
盛岡駅→好摩駅→岩手川口駅→いわて沼宮内駅→奥中山高原駅(旧・中山駅)→小鳥谷駅→一戸駅→二戸駅→目時駅
(青い森鉄道)
目時駅→三戸駅→八戸駅(旧・尻内駅)→三沢駅(旧・古間木駅)→野辺地駅→浅虫温泉駅→野内駅→青森駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋(便宜上、各ターミナル駅や新幹線停車の主要駅なども併記)
窓の右側に浮かぶ、湯ノ島
夏泊半島を過ぎて青森方面へ西へ進むと、窓の右側は美しい海の景色が広がります。
陸奥湾ですね。
そして海の上にはポツンと可愛らしい形の島が浮かびます。
- 湯ノ島
ですね。

湯ノ島。まるで静岡県沼津市の「あわしま」そっくり!?(画像が不鮮明ですみません!)(青森県)

湯ノ島(もっと鮮明な画像がありました!)(青森県)
湯ノ島は、青森県の奥座敷とも呼ばれる
- 浅虫温泉
の景観のシンボルともいわれます。
海にぽつんと浮かぶおにぎり型の島で、
- 前回解説した八甲田山の噴火により、
- その時に噴出した堆積物が積み上げられた
ことによって、できた島だと言われています。
余談:湯ノ島は、静岡県・沼津の「淡島」そっくり!?

夕暮れの淡島(写真右側)(静岡県沼津市)
湯ノ島関連で、ちょっと余談を。
沼津を舞台にしたアニメに出てきた島
私(筆者)のように静岡県沼津市が好きで、アニメ
- 「ラブライブ!サンシャイン!!」
が好きな方ならわかると思いますが、沼津市内浦に、「淡島(あわしま)」ってありますよね。
「あわしまマリンパーク」で有名で、富士山をバックに立つ、駿河湾(内浦湾)にぽつりと浮かぶ、おにぎり型の可愛らしい形の島です。

淡島(静岡県沼津市)
湯ノ島は、まさに淡島そっくりな、おにぎり型の可愛らしい島です。
沼津のあわしまは、富士山の噴火によってできた山ではない
なお、静岡県沼津市の淡島は、富士山の麓にあります。
そのため、淡島も湯ノ島と同じように富士山の噴火により、堆積物がたまってできた島と思いがちですが、実はそうではないようです。
淡島は、元々は海底火山のてっぺんだったようです。
- それが隆起(頭が海の上に出る)し、
- 長年の浸食(雨や風などで形が削られること)によって、
- 現在のような、淡島の形が出来上がった
ようです。
私のように、鉄道唱歌とアニメの両方が好きな方は多い?
なお、YouTubeで
- 【AIきりたん最長】鉄道唱歌全集
を公開されているアワシマ(XAW)さんも、恐らく私と同じように、鉄道唱歌はもちろん沼津市やアニメが大好きなお方だと察し致します。
青森の奥座敷・浅虫温泉
湯ノ島は、いわゆる青森県の奥座敷である「浅虫温泉」の景観的シンボルであります。
「浅虫温泉」は、
- 青森県の奥座敷
- 青森県の熱海
とも呼ばれる温泉街です。
慈覚大師・円仁によって発見された、浅虫温泉
浅虫温泉は、慈覚大師・円仁によって発見されました。
円仁は、慈覚大師とも呼ばれ、平安時代に現在の栃木県(下野国)に生まれ、
- 宮城県松島の「瑞巌寺」
- 山形県の「立石寺」
を建立されたことで有名な人物です。
都会からちょっと離れた温泉街「奥座敷」
「奥座敷」とは、都会からちょっと離れた温泉街のような観光地のことをいいます。
例えば、
- 東京の奥座敷として、静岡県の熱海温泉
- 栃木県の奥座敷として、鬼怒川温泉
などが該当します。
温泉街に対して、比喩的に「熱海」という言葉を用いることもある
「熱海」とは、静岡県熱海市のような温泉街のことを、比喩的に用いたりすることがあります。
例えば、浅虫温泉も「青森の熱海」などのように、比喩的に表現したりすることがあります。
福島県郡山市の近くにも「磐梯熱海」という地名がありますね。
これは、かつてこの地を治めていた人が、静岡県の伊豆出身だったことに由来します。
太宰治「津軽」にも登場する、浅虫温泉
浅虫温泉は、青森県出身の有名作家である太宰治の小説「津軽」にも出てきます。
太宰治は、浅虫温泉のことを、小説「津軽」の中で、以下のように評しています。
「浅虫も、いまは、つつましい保養の街として出発しているに違ひないと思はれる。」
「津軽において、浅虫温泉は最も有名で、・・・」
まあ、小説では褒めたり苦言を吐いたりと様々なのですが、本人もあまり自分の主観を読者に押し付けたくない、とも書かれています。
また、太宰治は生涯を通じてうまく社会に適合できず、精神的に衰弱で病んでいた時期も多かったのでした。
なので、まぁ大目にみてあげましょう(^^;)
余談ではありますが、太宰治の小説「津軽」は、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で読書家の国木田花丸ちゃんが愛読していた本でもあります(第2期第2話で読んでいるシーンがありますね)。
また、沼津市内浦には、「安田屋旅館」という、太宰治が「斜陽」の第一章と第二章を執筆した旅館があります。
主人公でAqoursのリーダーである高海千歌さんの実家のモデルになっており、国の登録有形文化財に指定されています。
青森のこの地と沼津は、なんだか繋がりがある・・・?
アニメや太宰治、湯ノ島などを通じて、
- 青森県の浅虫温泉、津軽地域
- 静岡県沼津市
は全然関係ないようで、どこか繋がりが感じられてしまうのは自分だけでしょうか(^^;)
もし青森市浅虫と沼津市内浦が姉妹都市提携を結んでも、私は何ら驚きません。
アニメファンの方々が、少しでも青森県のこの地域に関心を持っていただければ幸いです。
逆に、青森県のこの地域の方々にも、少しでも静岡県沼津市やアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に関心を持っていただければ幸いです。
沼津については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

トンネルを過ぎて、青森へ少しずつ近づく
だいぶ話しが横に反れて申し訳ありませんが、鉄道唱歌の話題に戻ります。
「トン子ル」と書いて「トンネル」 と読む
歌詞には
トン子ルの」
とあります。
鉄道唱歌の原文では、「トンネル」を「トン子ル」と表記することがよくあります。
確かに、「子」は「ね」とも読めるため、慣れれば大丈夫です。
十二支において、ねずみを表す「子」
いわゆる十二支でも、
のように書きますよね。
十二支において、「子」とは、いわゆる「ねずみ」のことです。
また、この年に生まれた人は「ねずみ年」になります。
他にも、トンネルは昔の言い方で隧道(ずいどう、ずいだう)と言ったりもします。
野内駅を過ぎ、徐々に青森の都会の雰囲気へ

青い森鉄道・野内駅(青森県青森市)
野内駅(青森県青森市野内菊川)を過ぎると、
- 筒井駅(青森県青森市筒井)
を過ぎ、徐々に青森の県庁所在地ならではの都会的な、市街地の様相となってきます。
かつては「浦町駅」という駅が存在した
青森駅~筒井駅の区間は、鉄道唱歌の当時は、現在とルートが異なっていたそうです(現在よりもやや北を通っていた)。
また、「浦町駅」という、市街地よりやや東に駅がありました(現在は廃止)。
歌詞に出てくる「浦町」とは、この浦町駅のことをいいます。
次回で、いよいよ青森駅へ
やがてJR奥羽本線との合流地点のデルタ(Δ)型の線路を右に曲がると、青森駅はすぐそこです!
コメント