鉄道唱歌 奥州・磐城編 第49番 久ノ浜を過ぎ、いわき市へ 磐城平藩の城下町

まずは原文から!

君が八千代(やちよ)の久の濱(ひさのはま)
木奴美が浦(こぬみがうら)の波ちかく
をさまる國(くに)の平町(たいらまち)
並が岡(ならびがおか)のけしきよし

さらに読みやすく!

君が八千代(やちよ)の久ノ浜(ひさのはま)
木奴美が浦(こぬみがうら)の波ちかく(近く)
おさまる(治まる)国の平町(たいらまち)
並が岡(ならびがおか)のけしき(景色)よし

さあ、歌ってみよう!

♪きーみがやちよの ひさのはまー
♪こぬみがうらのー なみちかくー
♪おさまるくーにの たいらまちー
♪ならびがおかのー けしきよしー

(常磐線)
仙台駅→(※注1)→岩沼駅→相馬駅(旧・中村駅)→原ノ町駅→浪江駅→双葉駅(旧・長塚駅)→富岡駅→木戸駅→広野駅→久ノ浜駅→いわき駅(旧・平駅)→内郷駅(旧・綴駅)→湯本駅→泉駅→勿来駅→大津港駅(旧・関本駅)→磯原駅→高萩駅→日立駅(旧・助川駅)→常陸多賀駅(旧・下孫駅)→水戸駅→友部駅→石岡駅→土浦駅→松戸駅→北千住駅→南千住駅→日暮里駅(※注2)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※注1 仙台駅→岩沼駅は東北本線の区間
※注2 当時は田端駅が終端

いくつかのトンネルをくぐり、海の景色も眺めながら末続駅(すえつぎえき、福島県いわき市久ノ浜町)を過ぎると、ここからはいよいよ福島県いわき市の市域に入っていきます。

そして、久ノ浜駅(ひさのはまえき、福島県いわき市)を過ぎます。
歌詞の「君が八千代の久ノ浜」というのは、おそらく掛詞(かけことば)ではないかと思われます。
八千代(やちよ)」とは国歌「君が代」にもあるように、非常に長い歳月に渡って日本という国家の安寧(あんねい)が続くことを示します。昔は「8」という数字は縁起のいい数字と信じられていましたから、非常に長く続くことを「八千代」などのように用いられてきました。他にも、島根県の出雲大社に祀(まつ)られている大国主命(おおくにぬしのみこと)も、「沢山の武器を持った戦いの神様」という意味で、「八千矛(やちほこ)」と呼ばれたりしますよね。
以上を踏まえて、そこから、長い→久しい→久ノ浜、というような連想と掛詞になっていると思われます。

久ノ浜(ひさのはま)は、福島県いわき市にある港町のことをいいます。

歌詞にある「木奴美が浦(こぬみがうら)」、または「小奴美が浦(こぬみがうら)」というのは、なんとなく「久ノ浜の古い別名」なのではないかという推察はできるのですが、残念ながら現代では情報が少なく、沢山調べましたが正直よくわかりませんでした。
私の情報収集能力の拙さ(?)を、ここでお詫びします。

さて、列車も既に福島県いわき市の市域に入っており、四ツ倉駅(よつくらえき)、草野駅(くさのえき)と過ぎていくと、窓の景色は徐々に都会的な雰囲気になっていきます。
福島県最大の人口と市域を誇るいわき市の中心駅である、いわき駅(福島県いわき市)に到着です。

いわき駅は、明治時代の1890年代の開業当初は「平駅(たいらえき)」と呼ばれていました。
また、福島県いわき市も、元々は江戸時代に「磐城平藩(いわきたいらはん)」といって、この地域は「平(たいら)」と呼ばれていたのです。
1966年の合併までは平市(たいらし)でした。

(たいら)というからには、いかにもあの平清盛(たいらのきよもり)で有名な平氏(へいし)にゆかりありそうな地名ですね。
もちろん、この地域も、平安時代の西暦900年代に関東地方で猛威を振るった平将門(たいらのまさかど)や、関東平氏の子孫である相馬氏(そうまし)も、この地域にゆかりのある一族です。
平清盛は、平将門の約200年後の1160年代~1180年代頃に登場した平氏の人物になります。

そしてかつて磐城平藩(いわきたいらはん)を治めた岩城氏(いわきし)も、平氏の子孫にあたります。岩城氏は「磐城」ではなく「岩城」の文字でした。
やはり、相馬氏もそうでしたが、茨城県と福島県の浜通りのこの地域は平氏とは何かしらの繋がりがあるようです。

平町(たいらまち)とは、現在の福島県いわき市のことです。
先述の通り、かつて江戸時代には「磐城平藩(いわきたいらはん)」と呼ばれており、また明治時代には、いわき駅は「平駅(たいらえき)」として開業しました。

福島県いわき市は、人口約36万人の福島県で最も人口の多い街です。2位が約33万人の郡山市、3位が約28万人で県庁所在地である福島市となります。
なお、郡山市といわき市は人口がしばしば上下し、1位と2位が結構入れ替わるようなので、上記の情報は古いかもしれないのでご注意ください。

現在のいわき市は、1966年に磐城市・平市・勿来市・内郷市・四倉町・久ノ浜町などの14もの自治体が合併して成立しました。これだけの自治体が合併した例は過去最高であり、現在でも破られていないそうです。これだけの周辺の市をたくさん合体させてできたため、とにかく市域が広いです。
合併後の市名も「磐城市」となるはずでしたが、これではまるで他の自治体が磐城市に吸収されてしまったようなイメージがつくため、それを回避するために、平仮名の「いわき市」となったようです。
しかし、平駅(たいらえき)の駅名はいわき市となってからも1994年まではそのままでした。
そして、1994年に駅名が「いわき駅」に変更になりました。
なお、変更のときには1億円かかったそうです。
隣の駅名標を変えたり、他の駅の案内板やデータベースなどを変えたりと全国に影響でてしまうため、駅名を変えるということは相当なコストになるわけですね。

なお、歌詞にある「並が丘(ならびがおか)」についても、先ほどの「木奴美が浦」と同様に、散々調べましたが、正直よくわかりませんでした・・・。併せてお詫びします。

「景色よし」とありますから、いわき市のどこかにあった景色のよい丘か何かなんでしょうかね?

いわき駅を出ると、次はいわき湯本温泉、そして小名浜方面へ向かいます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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