中央線鉄道唱歌 第62番 中津川に到着!恵那山の麓、紙・宿場・栗に知られる街

まずは原文から!

木曾路(きそじ)を出(い)でて坂下(さかした)や
東美濃(ひがしみの)なる商業地(しょうぎょうち)
中津(なかつ)は惠那(えな)の麓(ふもと)にて
紙すく業(わざ)ぞ知られたる

さらに読みやすく!

木曽路(きそじ)を出(い)でて坂下(さかした)や
東美濃(ひがしみの)なる商業地(しょうぎょうち)
中津(なかつ)は恵那(えな)の麓(ふもと)にて
紙すく業(わざ)ぞ知られたる

さあ、歌ってみよう!

♪きそじをいーでて さかしたやー
♪ひーがしみのなる しょうぎょうち
♪なかつはえーなの ふもとにてー
♪かみすくわざぞー しられたるー

(中央西線)
塩尻駅→洗馬駅→贄川駅→奈良井駅→藪原駅→宮ノ越駅→木曽福島駅→上松駅→須原駅→野尻駅→南木曽駅→坂下駅→中津川駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

木曽路を抜けて、中津川へ ここからは岐阜県

長かった木曽路の旅も、この辺りで終わりになります。
やがて、長野県から岐阜県に入っていきます。

岐阜県に入ると中津川市(なかつがわし)に入り、坂下駅(さかしたえき、岐阜県中津川市)を過ぎてゆきます。
間もなく、中津川駅(なかつがわえき、岐阜県中津川市)に到着します。

中津川駅(岐阜県中津川市)

中山道の宿場町、妻籠宿・馬籠宿

この辺りに、前回も解説した中山道(なかせんどう)の宿場町・妻籠宿(つまごじゅく)や馬籠宿(まごめじゅく)といった宿場町がございます。

妻宿宿には、いわゆる「うだつの上がる街並み」があります。
それは「うだつが上がらない」という言葉の語源となっています。
「うだつが上がらない」とは、商売がうまくいっていないという意味です。
うだつ(卯建)」とは、屋根に飾って立てる板のことをいいます。それは何故かというと、隣の家で火災が発生したときに、延焼(えんしょう。燃え移ること)を防ぐための板ということになります。

この板(うだつ/卯建)が屋根に立っていれば、それは商売がうまくいっていることを表します。

馬籠宿(まごめしゅく)は、戦前の小説家・島崎藤村(しまざき とうそん)の生まれた街でもあります。
島崎藤村は、「破戒(はかい)」「夜明け前」という小説で知られます。

夜明け前」は、「木曽路は全て山の中である」という有名な見出しからはじまります。
「夜明け前」には木曽路の詳しいことが当時の地元民の目線で書かれており、現代となっては貴重ともいえます。

製紙業で栄えた、中津川 電灯村も

中津川では、歌詞によれば明治時代には「紙を作る会社」で栄えていたことがわかります。
紙を生産するには、たくさんの木材と水か必要になります。
それはまさに、木曽川の豊富な水と、木曽の豊富な木材があったからこそなのでしょう。

また、中津川にはかつて「電灯村」があったそうです。
今でこそ電灯は珍しくないですが、明治時代に電灯は画期的なものでした。

昔は「たき火」「ランプ」「ガス灯」などが主流でしたが、20世紀にもなると徐々に「電灯」が普及していったようです。
鉄道も、明治時代の始めは蒸気機関車でしたが、明治時代後半にもなると徐々に「電車」に置き換わってゆきました。

恵那山のふもとの街・中津川市

岐阜県中津川市(なかつがわし)は、名古屋からみて”険しい木曽路”に入る1つ手前の地域にあるので、名古屋経済圏のギリギリの都市圏かともいえます。
名古屋から特急でも1時間ほどかかる距離に位置しているため、名古屋まで通勤・通学のできる比較的ギリギリのエリアなのかな、ともいえます。
また、中津川の1つ木曽路寄りの坂下駅周辺も、中津川のベッドタウン的な印象で、中津川~坂下駅間は通学客が多い印象です。

もっとも、現代では中央西線の「特急しなの」や、国道19号中央自動車道といった道路が充実しているため、松本・塩尻エリア名古屋との経済的繋がりは強いといえます。

例えば、松本・塩尻でしか採れない農作物などを名古屋都市圏にトラック・貨物輸送して販売したり、また逆に松本・塩尻の人々が名古屋まで遊びに行く・購買活動をするなど、ある意味での両都市間の「物々交換」みたいな感じです。
というか、地域間の経済はこのようにして成り立っています。

中津川市は恵那山(えなさん)の斜面に沿って、栗の栽培が可能なので、中津川は栗の名産地であります。
また、その栗を原材料にしたお菓子である「栗きんとん」の名産地として知られます。

他に同じ栗の名産地として、茨城県笠間市(かさまし)が挙げられます。笠間市は、昭和を代表する歌手である坂本九(さかもと きゅう)さんが幼少期を過ごした場所としても知られます。
併せて覚えておきましょう。

また、歌詞にあるように、中津川は恵那山(えなさん)の麓(ふもと)にある街になります。

恵那山(えなさん、標高2,191m)は、日本神話においてイザナギイザナミが子作りをするときに、その時の「へその緒」を封じ込めたとして伝わる山となります。

イザナギとは、日本の産みの親である男性の神様です。イザナミとは、同じく女性の神様です。

中津川まで降りてくると、いよいよ美濃(みの)平野に入ってゆきます。
それまでの険しい山岳地帯とは一転して、前に進むにつれ、だんだんと平野部の街中のような景色になってゆきます。
そして、終着の名古屋まで本当にあと少しなんだなという実感も湧いてきます。

次は、恵那駅(えなえき)に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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