山陰鉄道唱歌 第20番 大山のふもと、御来屋へ 後醍醐天皇の御船を迎えた、名和長年の功績

まずは原文から!

君の御船(みふね)を迎(むか)へたる
御来屋町(みくりやまち)はこゝなれや
其(その)功績(いさおし)は今も尚(なお)
名和神社(なわじんじゃ)とぞ仰(あお)がるゝ

さらに読みやすく!

君の御船(みふね)を迎(むか)へたる
御来屋町(みくりやまち)はここなれや
其(その)功績(いさおし)は今も尚(なお)
名和神社(なわじんじゃ)とぞ仰(あお)がるる

さあ、歌ってみよう!

♪きーみのみふねを むかえたるー
♪みくりやまちはー ここなれやー
♪そのいさおーしは いまもなおー
♪なわじんじゃとぞ あおがるるー

(山陰本線)
鳥取駅→湖山駅→宝木駅→浜村駅→青谷駅→泊駅→松崎駅→倉吉駅→由良駅→八橋駅→赤碕駅→御来屋駅→名和駅→大山駅→淀江駅→伯耆大山駅→米子駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

大山の麓を走り、米子方面へ 御厨駅に到着

列車は現在、鳥取県の倉吉(くらよし)から米子(よなご)へ向かっている最中になります。
また、まもなく大山(だいせん)の麓(ふもと)を走ります。

やがて、御来屋駅(みくりやえき、鳥取県西伯郡大山町)に到着します。

御来屋駅(鳥取県西伯郡大山町)

(きみ)」とは、「天皇」や「王様」「統治者」などの意味で使われる場合がある言葉です。

」という字も、「天皇の~」「神様の~」という意味で使われる字です。

御船(みふね)」とは、神様や天皇が乗られる船のことをいいます。
ここでは、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)が隠岐の島(おきのしま)から脱出したときに乗られていた船のことをいいます。

はるか遠くの隠岐島(鳥取県)

御来屋(みくりや)は、隠岐の島を脱出した後醍醐天皇の舟を迎えた場所である事を意味します。

(み)」は前述の通り、「天皇」「神様」などを意味します。
ここでは言うまでもなく、後醍醐天皇のことです。
」とは、後醍醐天皇が脱出して来られたことを意味します。

ちなみに御厨(みくりや)と書くと、天皇や皇族に差し出す料理を作る厨房(ちゅうぼう)という意味になります。
余談ですが、2020年に、静岡県磐田市(いわたし)に「御厨駅(みくりやえき)」が新しくできました。

隠岐の島から脱出し、名和長年にかくまわれた後醍醐天皇

名和駅(鳥取県西伯郡大山町)

後醍醐天皇は、鎌倉時代の終わりに、「笠置山の戦い(かさぎやまのたたかい)」において敗れ、隠岐の島に流されてしまいました。

笠置山の戦い」については、以下の記事もご覧ください。

鉄道唱歌 関西編 第10番 笠置山と元弘の変 鎌倉幕府を倒すための戦い

なぜ後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒そうと思ったのかというと、北条氏(ほうじょうし)の政権独占状態で政治が腐敗し、人々の不満が増大したことや、二度にわたる元寇(げんこう)で武士に恩賞が与えられずに困窮した武士がたくさんいたことなど、様々な要因が挙げられます。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。

鉄道唱歌 関西編 第40番 高田駅を出て、窓の右にそびえる大和葛城山と金剛山 そして千早城の戦い

隠岐の島に流されてしまった後醍醐天皇ですが、隠岐から脱出する際に、名和長年(なわ ながとし)の力を借りました。
そして追ってくる鎌倉幕府の勢力から守るために、前回解説した船上山(せんじょうさん)にたてこもり、この「船上山の戦い」に勝利します。

そして後醍醐天皇や名和長年は、楠木正成(まさしげ)や新田俊貞(にった よしさだ)、結城宗広(ゆうき むねひろ)らとともに、北条氏を滅亡させ、鎌倉幕府を倒すのです。

名和長年を神様として祀る、名和神社

今はその手柄(功績)は、大山(だいせん)の麓(ふもと)の、名和神社(なわじんじゃ)にあります。
名和神社は、名和長年を神様として祀(まつ)る神社になり、名和駅(なわえき、鳥取県西伯郡大山町)が最寄駅となります。

名和駅(鳥取県西伯郡大山町)

大山(だいせん)は次回も解説しますが、標高1,729mの、中国地方で最も高い山です。

次回は、大山(だいせん)の話題になります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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