山陰鉄道唱歌 第30番 奥出雲へと通じる、斐伊川 ヤマタノオロチを討った、スサノオの武勇

山陰鉄道唱歌の歌詞(斐伊川・スサノオの歴史など)について、鉄道・観光・歴史に詳しくない方にも、わかりやすく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

くもたちづる出雲路いずもじ
川上かわかみそのむかし
大蛇おろちうたれし素戔嗚尊すさのお
かみ武勇ぶゆうにかくれなし

さらに読みやすく!

くもたちづる 出雲路いずもじ
川上かわかみは そのむかし
大蛇おろちうたれし 素戔嗚尊すさのお
かみ武勇ぶゆうに かくれなし

さあ、歌ってみよう!

♪くもたちいーずる いずもじのー
♪ひのかわかみはー そのむかしー
♪おーろちうたれし すさのおのー
♪かみのぶゆうにー かくれなしー
(山陰本線)
米子駅→安来駅→荒島駅→東松江駅→松江駅→玉造温泉駅→宍道駅→荘原駅→直江駅→出雲市駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

奥出雲へと通じる「斐伊川」を渡る

宍道駅しんじえきを出ると、やがて斐伊川ひいがわという大きな川を渡ります。

斐伊川(島根県)

ヤマタノオロチと、スサノオが戦った斐伊川

斐伊川(ひいがわ)とは、日本神話に出てくる怪物である八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と戦って倒した神様である、スサノオ(素戔嗚尊、須佐之男)が登っていった川になります。

スサノオとは?

スサノオは、イザナギという神様に生み出された神様になります。

イザナギ(男神)・イザナミ(女神)は、「古事記」や「日本書紀」の日本神話における、日本という国を生んだとされる神様です

イザナギの子には他にも天照大神(アマテラスオオカミ)やツクヨミ(月読命)がおります。
それぞれ、イザナギの体の以下のパーツから生まれてきた子になります。

  • 左目からは、天照大神(アマテラスオオカミ)
  • 右目からは、ツクヨミ
  • 鼻からは、スサノオ

がそれぞれ産まれています。
つまり、イザナギとイザナミとの交配によって産まれたわけではないのです。

ヤマタノオロチを倒した神・スサノオ

破天荒な性格で、天界を追放される

スサノオの性格は極めて破天荒で、ある意味メチャクチャな性格でもありました。

高天原(たかまがはら:神様たちが住む天空の場所)において、天照大神の畑をめちゃくちゃにしてしまったため、高天原を追放されてしまったのです。

斐伊川を登っていく

そんなある日、出雲の斐伊川(ひいがわ)にさしかかったスサノオは、斐伊川を登ってゆくことにします。

スサノオが斐伊川を登ったところで、そこに何故か泣いていた老夫婦がいました。

クシナダヒメを、ヤマタノオロチから救う

老夫婦が泣きながら言うには、

「この奥出雲には、ヤマタノオロチという化物がおります。その化物によって、娘はみんな食べられてしまいました。
既に7人の娘が、ヤマタノオロチに食べられてしまったのです。
そして今夜、最後の娘である「クシナダヒメ」を、ヤマタノオロチに生け贄として差し出さなせればならないのです。」

ということでした。

それを聞いたスサノオは、

わかった。その化物は俺が倒してやる。
その代わり、その娘(クシナダヒメ)を俺によこせ。

といって、娘を嫁にもらうことを条件に、ヤマタノオロチを倒すことにしました。

ヤマタノオロチとは、その昔、奥出雲に存在したとされる、尻尾(しっぽ)が8つもある怪物のことです。

スサノオ、ヤマタノオロチを巧みに誘いだして倒す

スサノオは、酒のにおいヤマタノオロチを誘い出し、それに釣られたヤマタノオロチは酒を一気に飲み干し、酔っ払って寝てしまいました。

その寝ているところを、スサノオの剣で滅多打ちにされてしまい、スサノオは見事に勝利したのでした。

ヤマタノオロチの尾から出てきた「草薙の剣」

その「剣で斬った」とき、ヤマタノオロチのしっぽから出てきた剣が、いわゆる草薙くさなぎつるぎ です。

草薙くさなぎつるぎは、いわゆる三種さんしゅ神器じんぎ の一つです。
名古屋の熱田神宮あつたじんぐうまつられています。

「三種の神器」とは?

三種さんしゅ神器じんぎは、天皇家に伝わる、3つの神聖なアイテムのことです。

  • 草薙の剣(くさなぎのつるぎ)
  • 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
  • 八咫鏡(やたのかがみ)

ちなみに、

  • 草薙の剣は、先述の通り名古屋の熱田神宮(あつたじんぐう)
  • 八尺瓊勾玉は、東京都千代田区の皇居
  • 八咫鏡は、三重県の伊勢神宮

に、それぞれ祀られています。

斐伊川に沿った、木次線

斐伊川は、木次線(きすきせん)に沿った川でもあります。
こちらは前回解説した通りです。

山陰鉄道唱歌 第29番 宍道湖の横を西へ行く 玉造温泉・荘原・直江と進む
山陰鉄道唱歌を、小学生にもわかりやすく解説しています。鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説します。

また、斐伊川は歴史的に氾濫を繰り返して荒れ狂う川だったため、斐伊川そのものがヤマタノオロチだった、という伝説もあります。

「黄泉の国」へ続くといわれる、黄泉比良坂

また、奥出雲には黄泉よみの国へと続くといわれる、黄泉比良坂よもつひらさかという坂もあります。

黄泉の国とは、いわば死んだ後の世界のことであり、黄泉比良坂「この世」と「あの世」を行き来するための坂だとされています。

奥出雲には、このように日本神話にまつわる観光地や名所がたくさんあります。
神話の世界って、なんだかワクワクしますね!

斐伊川は、埼玉県さいたま市・大宮の「氷川神社」とも関係あり

さらに補足ですが、斐伊川ひいがわは埼玉県さいたま市・大宮おおみや氷川神社ひかわじんじゃの由来にもなっています。

氷川神社は、斐伊川とスサノオに関する信仰の神社のため、スサノオが神様として祀られています。

大宮は、東北新幹線の駅もある鉄道の重要駅の街でもあります。

埼玉県・大宮については以下の記事でわかりやすく解説していますので、詳しくは以下をご覧ください

鉄道唱歌 北陸編 第7番 大宮の宿場町と鉄道の街としての歴史 街の由来の氷川神社
鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説しています!鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説してゆきます!

次は、出雲市駅に止まります!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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