まずは原文から!
北は圓覺(えんがく)建長寺(けんちょうじ)
南は大佛(だいぶつ)星月夜(ほしづきよ)
片瀬(かたせ)腰越(こしごえ)江の島(えのしま)も
たゞ半日の道ぞかし
さらに読みやすく!
北は円覚(えんがく)建長寺(けんちょうじ)
南は大仏(だいぶつ)星月夜(ほしづきよ)
片瀬(かたせ)腰越(こしごえ)江の島(えのしま)も
ただ半日の道ぞかし
さあ、歌ってみよう!
♪きーたはえんがく けんちょうじ
♪みなみはだいぶつ ほしづきよー
♪かーたせこしごえ えのしまもー
♪ただはんにちのー みちぞかしー
(東海道線)
新橋駅→高輪ゲートウェイ駅→品川駅→大森駅→川崎駅→鶴見駅→東神奈川駅→横浜駅→大船駅→藤沢駅→大磯駅→国府津駅(→小田原駅・熱海駅)
(横須賀線)
大船駅→鎌倉駅→逗子駅→横須賀駅→久里浜駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋(便宜上、ターミナル駅等も表記)
※鉄道唱歌の当時の「神奈川駅」と、現在の「東神奈川駅」は別の駅
※小田原駅・熱海駅は鉄道唱歌の当時のルートには含まれない
鎌倉市のたくさんのお寺をめぐる 鎌倉時代に栄えた「鎌倉仏教」
鎌倉時代には、それまでの厳しい修行を必要とした仏教とは異なる、「鎌倉仏教」が栄えました。
鎌倉仏教は、現代の日本でも多くの日本人に信仰されている重要なものだともいえます。
鎌倉仏教とは、いわゆる「座禅(さぜん)」を行ったり、「念仏」を唱えていれば極楽浄土(ごくらくじょうど)に行ける、という考え方がメジャーです。
それまでの仏教はとても厳しい修行が必要でしたから、それらを省略した鎌倉仏教は、新しい時代に受け入れられたわけです。
また、平安時代の仏教は貴族による影響も大きかったのですが、鎌倉仏教はより民衆にも受け入れられやすいものに変化していきました。
日本の仏教の多くは鎌倉仏教のいずれか(の宗派)といわれています。
なぜ、鎌倉時代に「鎌倉仏教」が栄えたのか
では、なぜ鎌倉時代にこれら仏教が受け入れられたのか。
昔の人々はいつ疫病や飢餓、戦争などで死ぬかもわからない時代でした。
そういった人々(衆生。しゅじょうと読みます)の苦しみを救済(きゅうさい)するために、例えば浄土宗のように「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏を唱えたり、また時宗(じしゅう)の一遍上人(いっぺんしょうにん)のように、「踊り念仏」といって全国を踊りながら人々を救済していく、といったものが主力だったようです。
現代でも、我々は初詣に「第一志望に合格しますように!」「試合で絶対に勝ちますように!」など願いを込めますよね。これは、神様や仏様にお願いをたてることで、実際に自分もそれを実現するための行動に出るように脳がはたらくからです。
「思考は現実化する」という言葉がありますが、「~したい」という強い気持ちがあれば無意識のうちに人間は行動し、それが早かれ遅かれ実現してしまうことは、鎌倉時代の人々も気付いていたのでしょう。
このように、神様や仏様に力を借りることで自己実現することを、仏教の言葉で「本願(ほんがん)」といいます。浄土真宗(じょうどしんしゅう)の「本願寺(ほんがんじ)」にその名前がありますよね。
なお、「他力本願(たりきほんがん)」というと現代では「他人に任せっきり」というマイナスなイメージで使われたりもしますが、本来の他力本願の意味は神様や仏様に誓いをたてることで、自分の力だけでは成し得ないことを実現することをいいます。
例えば「毎日3時間机に向かうんだ!」「次の簿記試験に受かるんだ!」とまわりに宣言すれば、必然とその行動を人間は取るようになります。神様や仏様に合格祈願や必勝祈願をするのは、それと同じことです。
鎌倉仏教の例 現在でも広く信仰されている宗派も多い
前置きが長くなりましたが、それでは鎌倉仏教について、簡単に紹介していきます。
「浄土宗(じょうどしゅう)」
法然(ほうねん)という方によって開かれた宗派です。
浄土宗の数多くのお寺の中で、最も格式の高いお寺(総本山)は、京都の知恩院(ちおんいん)になります。
知恩院は、鉄道唱歌東海道編第49番にも歌われていますね。
また、同じく第49番にも歌われている「黒谷さん」とよばれる京都の金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)も、浄土宗の1つのお寺です。
「浄土真宗(じょうどしんしゅう)」
親鸞(しんらん)という方によって開かれた宗派です。
代表的なお寺は京都にある西本願寺(浄土真宗本願寺派)、同じく京都にある東本願寺(真宗大谷派)などになります。
なお、親鸞上人(しょうにん)は、一時期北陸地方に島流しにされてしまい、新潟県の直江津(なおえつ)という場所に上陸となりました。
直江津や柿崎(かきざき)といった場所は、親鸞上人のゆかりの場所とされています。これは鉄道唱歌北陸編第34番にも歌われていますね。
親鸞上人が島流しにされたのは、当時の後鳥羽上皇の怒りをかったからとされています。
しかし、その後鳥羽上皇も1221年の承久の乱で敗れ、島根県の隠岐の島(おきのしま)に配流となっています。
「時宗(じしゅう)」
一遍(いっぺん)という方によって開かれた宗派です。
総本山は、神奈川県藤沢市にあります。
時宗は、「踊り念仏(おどりねんぶつ)」という独特の手法で全国を周り、人々を幸せにしていきます。
確かに、みんなで踊れば楽しいですよね。みんなで踊ることで集団への帰属意識(ここが自分の帰る場所なんだ、という意識)が生まれ、「自分だって誰かにとって必要なんだ」という意識改善に繋がります。また踊ることによって脳から「ドーパミン」や「セレトニン」といった神経伝達物質(いわゆる、幸せホルモン)が分泌されますから、鎌倉時代はここまでの医学的メカニズムは一般的でなかったにせよ、一遍上人は800年もの昔にこの原理に気付かれていたのでしょう。さすがです。
「日蓮宗(にちれんしゅう)」
日蓮(にちれん)という方によって開かれた宗教です。
日蓮宗で最も格式の高いお寺である総本山(そうほんざん)は、山梨県南巨摩郡(みなみこまぐん)身延町(みのぶちょう)にあります。
身延山(みのぶやま)にある久遠寺(くおんじ)が、その総本山のお寺になります。
身延町(みのぶちょう)は歴史的にこの身延山への門前町(もんぜんまち。参拝客を宿泊させたり、食事やお茶などを提供する店のある町のこと)として発展した町です。
なお、日蓮上人は鎌倉幕府に批判的な言動をしたため、罰として新潟県の佐渡(さど)に流されています。しかし、仏教勢力が影響力を増してきて政治に口出しをするのは、古くは奈良時代からもよくあったことでした。桓武天皇が平安京など様々に都を移したのは、奈良の仏教勢力から逃れるためだったとも言われます。
また、他にも佐渡に流された方として、後鳥羽上皇の息子であり共に1221年の承久の乱(じょうきゅうのらん)に敗れた順徳天皇(じゅんとくてんのう)がおり、佐渡の真野神社(まのじんじゃ)にて祀られています。このことは鉄道唱歌北陸編第48番でも歌われていますね。
「臨済宗(りんざいしゅう)」
座禅(ざぜん)を組むことで幸せになる(仏教の言葉でいうと「極楽浄土にいく」「悟りを開く」「救済される」など)ことを目指す宗教です。いわゆる「禅宗(ぜんしゅう)」の代表的宗教となります。
現代でも座禅を組むことで、様々なアイデアが浮かんだり、心がリラックスしたりしますよね。なお、私(筆者)は注意力散漫で落ち着きがないので(発達障害・ADHDなど)、私が座禅をやると打(ぶ)たれまくりになります。(^^;)
歌詞にある「円覚寺(えんがくじ)」や「建長寺(けんちょうじ)」は、そんな臨済宗のお寺になります。鎌倉時代の主要な5つの寺院である「鎌倉五山」のうちの2つが円覚寺と建長寺であり、建長寺がそのトップになります。建長寺はその頂点だけあって、とても大きな伽藍(がらん)と境内(けいだい)を誇ります。
円覚寺は、8代執権の北条時宗によって、「元寇(げんこう)」というモンゴル帝国襲来のときの戦没者を慰霊するために造られました。
鎌倉のシンボル「鎌倉大仏」
鎌倉仏教にかなりスペースを割いて申し訳ありませんが、鉄道唱歌の歌詞の内容に戻ります。
「鎌倉大仏(かまくらだいぶつ)」は、歴史の教科書で誰もが知る、奈良の大仏(盧舎那大仏/るしゃなだいぶつ)と並んで有名な大仏さまです。
鎌倉大仏は、いわゆる高徳院(こうとくいん)という寺の境内にあります。
高徳院の最寄駅は長谷駅(はせえき、神奈川県鎌倉市長谷)であり、江ノ島電鉄(てのしまでんてつ。通称江ノ電)にて藤沢駅(ふじさわえき、神奈川県藤沢市)または鎌倉駅(かまくらえき、神奈川県鎌倉市)から行くことができます。
鎌倉大仏はほぼ当時の原形をとどめている貴重な大仏のため、長年の雨風にさらされた跡や苔(こけ)などにその長大な歴史を感じさせられます。鎌倉時代から約800年間、地震や災害、戦禍などを回避してきたわけですから、安全・無災のシンボルであり奇跡ともいえるでしょう。
また、奈良の大仏は約14m、鎌倉大仏は約12mになります。
腰越海岸と、江ノ島
「片瀬(かたせ)」「腰越(こしごえ)」とは、いずれも鎌倉市の南西・藤沢市の南部にある海沿いの地名です。向かい側は江ノ島(えのしま)であり、その海岸は江ノ島のみならず遠くに富士山も眺められ、ドラマのロケシーン等で使われてもおかしくなさそうです。
いわゆる湘南地域(しょうなんちいき)の東海岸にあたり、サーファーなどが似合いそうな海岸でもあります。
また、腰越海岸や由比ヶ浜(ゆいがはま)のさらに東側は三浦半島(みうらはんとう)であり、皇室の別荘である御用邸(ごようてい)のある葉山町(はやまちょう)も、この辺りになります。
また、腰越(こしごえ)はかつて、1185年の壇ノ浦の戦いで勝利したものの、その後兄の源頼朝(よりとも)と政治的に意見を対立した源義経(よしつね)が、兄と和解するために書いた「腰越状」で知られます。しかしそれは虚しく破棄され、兄の源頼朝の義経に対する怒りは収まらず、義経は仕方なく岩手県平泉(ひらいずみ)の奥州藤原氏を頼って東北地方に逃げるのです。しかし後にこれが鎌倉にバレてしまい、義経と義経をかくまった奥州藤原氏も源頼朝によって滅ぼされてしまいました。
「江ノ島(えのしま)」は、神奈川県藤沢市の南部に浮かぶ、楽園のような島です。フランスにある「モンサンミッシェル」という島にも似ている気がします。
(江ノ島が「日本のモンサンミッシェル」という形容で紹介させることは多々あるという気がします。)
江ノ島は、古くから海を守る女性の神様である「イチキシマヒメノミコト(弁財天様)」を祀る江島神社(えのしまじんじゃ)と、そこに参拝に訪れる客で賑わってきました。
広島県廿日市市(はつかいちし)にある宮島(みやじま)、つまり厳島神社(いつくしまじんじゃ)もイチキシマヒメノミコト(弁財天様)も祀る神社になります。
余談:江ノ島にカップルで行くと別れる!?
なお、「弁財天様は嫉妬深い神様のため、江ノ島にカップルでデートすると別れる」という都市伝説があります。
いくら観光地で周りがカップルだらけとはいえ、長い待ち時間に私が本ブログで日頃話しているような「うんちく話」を彼女にすると嫌われるので注意しましょう。また、彼女も彼氏がうんちく話をし始めたら、それは彼氏にとっては最高の時間なので、幻滅せずに「すごーい!詳しいんだね!」と褒めてあげる努力をしなければなりません。
また、他のカップルの彼氏(彼女)と自分の彼氏(彼女)比較して、劣っていたら幻滅して別れる・・・などがないように注意しなければなりません。人や周りといちいち比べないことが不幸にならないための基本になります。
・・・余談大変失礼しました。
いつも歴史などの真面目な話ばかりではつまらないだろうと思って、たまにこうした余談も入れさせていただいております。
なお、ここまで解説してきた上記の私の宗教や仏教に関する拙い解釈は、あくまで私の人生経験なども踏まえた解釈になります。
日本には憲法で信教の自由がありますので、上記の私の解釈をおしつけるつもりは毛頭(もうとう)ございません。何を信じるか・信じないかは最終的には皆さんの判断にお任せします。
あくまで参考程度によろしくお願い申し上げます。
余談その2:私(筆者)は何の宗教・宗派なのか!?
では、私(筆者)は何の宗教の信者なのか。
私は「マコなり社長」「フェルミ漫画大学」の動画や「Aqours」の曲に多大な影響を受けているので、「マコなり教」「フェルミ教」「Aqours教」の信者です!
(※実際にこんな宗教は存在しません。私が勝手に信者になっているだけです。)
「マコなり社長」の動画で、私の人生を変えたマコなり社長の強烈すぎるセリフは以下です。
「常識人間を捨てろ」
「俺は人に認められたくてやってるんじゃない。自分がやりたいからやってるんだ!それで野垂れ死ぬなら、本望だ。(岡本太郎の言葉より)」
「嫌なことから全力で逃げろ」
「人生は無駄を楽しむためにある!」
最後のセリフは、生産性を極めたマコなり社長だからこそ言えるセリフですね。
私は、マコなり社長(株式会社div代表取締役 真子就有(まこゆきなり)社長)の動画のおかげで、人生が変わりました。
マコなり社長が岡本太郎さんの本を読んで人生変わったように、私もマコなり社長の「常識人間は成功しない」という動画を観て人生変わりました。
なお、岡本太郎さんとは大阪府吹田市(すいたし)の万博公園にある「太陽の塔」で有名な、昭和日本を代表する芸術家です。
マコなり社長は、2023年春をもって約10年間務めてきた株式会社divの社長を退任され、新たな会社を立ち上げられることを発表されました。
やはり優秀な成功者は、常に新しいことに挑戦し続けないと人生物足りないのでしょう。
他にも、私の人生を変えた「フェルミ漫画大学」の動画についてや、Aqoursの曲については、また別の機会で解説していければと思います!
そして私は何より「私は自分を信じる」ことを重視しています。これはジョン・レノンの「ゴッド」という曲にも歌われている通りですね。
自分を信じる者は救われます!
私はブログ記事を書くときは、毎回毎回魂を込めて書き上げています。
少しでも私の思いが伝われば幸いです。
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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