鉄道唱歌 山陽・九州編の歌詞(熊本の花岡山、阿蘇山など)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!
↓まずは原文から!
花岡山の招魂社
雲か霞か夕ぞらに
みゆるは阿蘇の遠煙
さらに読みやすく!
花岡山の 招魂社
雲か霞か 夕ぞらに
みゆるは阿蘇の 遠煙
さあ、歌ってみよう!
♪はなおかやまのー しょうこんしゃ
♪くーもかかすみか ゆうぞらにー
♪みゆるはあそのー とおけむりー
小倉駅→折尾駅→箱崎駅→博多駅→都府楼南駅→二日市駅→鳥栖駅→久留米駅→木葉駅→田原坂駅→熊本駅→川尻駅→宇土駅→松橋駅→八代駅
※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
熊本駅の西後ろ側にある、花岡山
花岡山とは、熊本駅の西後ろ側にある、高さ133mの山です。

花岡山(熊本県)
歌詞「招魂社」とは?(敗北宣言)
なお歌詞にある「招魂社」とは、調べたのですが正直よくわかりませんでした(敗北宣言)。
一般論で、「招魂社」とは
「招魂社」とは、一般的には戦争などで亡くなられた兵士たちの魂を弔うことを目的とした神社です。
具体的な例を挙げると、東京都の「靖国神社」などをはじめとする、全国の護国神社などの神社が該当します。
どの戦争で亡くなった人を祀っているのか?
次に、「何の戦争で亡くなった方を弔うのか」という話になってくると思います。
一般的に、幕末の「戊辰戦争(ぼしんせんそう)」や、
- ここ熊本も舞台となった「西南戦争」
- 同じく、熊本を舞台となった「神風連の乱」
- また、「第二次世界大戦」
などが挙げられます。
その他の招魂社、護国神社
例えば、北海道函館市には戊辰戦争の最終局面である「箱館戦争」で亡くなられた人々の霊を弔うために、「函館護国神社」という神社が存在します。
石川県金沢市の兼六園という公園にも、金沢から西南戦争に向けて出兵していった人々の霊を弔うために、ヤマトタケルノミコトの空に届くほど高い像が建てられています。
「西南戦争」とも関係あり?(敗北宣言Part2)
そしてここ熊本は、西南戦争の最たる舞台となった場所です。
歌詞の「花岡山の招魂社」とは、西南戦争で亡くなられた兵士を弔う神社がこの辺りにあったのかな?とも思いました。
しかし、散々に調べまくった結果、私の予想を当てるようなデータや、客観的史実にはたどり着けませんでした(敗北宣言Part2)。
なので、私(筆者)の力量不足で現段階で「花岡山の招魂社」についての解説ができませんことを御容赦ください。
ただし、後にわかり次第、追って加筆します。
熊本で行われた「神風連の乱」
→最近、「神風連の乱」という戦乱を知りました。
神風連の乱とは、西南戦争の前年に起きた、士族の反乱です。
つまり、「廃刀令」という武士の特権を奪われたことに不満を持つ士族(元・武士)の反乱ではないかと思われます。
その「神風連の乱」で犠牲になった人々を弔う墓所が花岡山にあるそうです。
なお「招魂社」は、日本オリジナルの宗教である「神道(しんとう)」における「神社」であり、いわゆる仏教の「お寺」とは異なるものです。
花岡山の頂上の「仏舎利塔」
そして、花岡山の頂上に堂々と鎮座しており、また熊本市街地からのどこからでも比較的目立つ、白い「仏舎利塔」があります。
「仏舎利」とは?
仏舎利とは、仏様のお骨のことをいいます。
つまり、仏舎利殿というと、仏様のお骨が祀られているお寺の施設という意味になります。
お花見や、ピクニックの名所でもある花岡山
花岡山からの熊本市街地の眺めは抜群によいほか、お花見やピクニックの拠点として、熊本市民の憩いの場になっているそうです。
また、私がネットやYouTubeなどで調べていると、花岡山は心霊スポットとして、「肝試し」の現場としても人気あるようです。
花岡山からは、阿蘇山も見える?
そして、歌詞によると、花岡山の頂上からは、はるか向こう側に阿蘇山(あそさん)の吐く煙が見えるそうです。
※私は花岡山に登ったことがないため、こういう書き方ですみません。
阿蘇山とは
阿蘇山(あそさん)は、世界一のカルデラを持つ火山です。
世界一の「カルデラ」
カルデラとは、一旦火山が噴火して、勢い余ってへこんで出来た部分のことを言います。
カルデラは、スペイン語で「鍋(なべ)」という意味です。
まるで巨大な鍋のような形の山であることから、カルデラと呼ばれるわけです。
また、その中に水が溜まってできた湖のことを、カルデラ湖と言います。
「あそ」「あさま」とは
なお、「あそ」と「あさま」は、すごく古い日本語では「火山」という意味だそうです。
つまり、阿蘇山と長野県の浅間山(あさまやま)」は語源が同じだということです。
また、
- 「浅間(あさま)」→「浅間(せんげん)」
となり、富士山の御神体であり日本神話きっての美人の神様であるコノハナサクヤヒメを祀(まつ)る浅間神社(せんげんじんじゃ:静岡県富士宮市)の語源にもなっています。
余談:「砂漠」という名前の砂漠など
そして余談ですが、「砂漠」という名前の砂漠は存在します。
サハラ砂漠の「サハラ」とは、「砂漠」という意味です。
「ナイル」「インダス」「ドナウ」も、すべて「川」という意味です。
それぞれナイル川・インダス川・ドナウ川の語源になっています。
阿蘇山方面へ続く、豊肥本線
豊肥本線(ほうひほんせん)は、
- 肥後国(ひごのくに)・熊本県
- 豊後国(ぶんごのくに)・大分県
とを、それぞれ結ぶ線路です。
それぞれの頭文字を取って、豊肥本線といいます。
豊肥本線の主なルートを、簡単に紹介
豊肥本線は、前回解説した
- 水前寺公園(すいぜんじこうえん)
の近くを通り、ここまでが熊本市の通勤通学県内だと思われる
- 肥後大津駅(ひごおおつえき、熊本県菊池郡大津町)
を過ぎます。
阿蘇のカルデラ、2連続スイッチバック
途中で阿蘇のカルデラが作る、急勾配を2連続スイッチバックで克服・走破すると、カルデラ内の阿蘇の平原地域を通ります。
険しい山岳地帯、豪雨の多い九州
阿蘇を過ぎると、その後は非常に厳しい山岳地帯が続き、昼でも薄暗いような林や木々に囲まれた区間を通ります。
九州は豪雨が多いため、豪雨に見舞われると険しい山地ということもあり、災害復旧がとても大変なことでしょう。
竹田市・豊後大野市・犬飼町を過ぎ行く
やがて
- 竹田市(たけだし)
- 豊後大野市(ぶんごおおのし)
などの内陸部の重要な街を過ぎてゆきます。
また、漫画「デトロイト・メタル・シティ(DMC)」の舞台ともなった
- 犬飼駅(いぬかいえき、大分県豊後大野市犬飼町)
も通ります。
犬飼町には「あべよし」などの漫画に出てきたスーパーなどがあり、聖地巡礼ができます。
大分駅(大分市)に至る
そして
- 大分大学前駅(おおいただいがくまええき、大分県大分市)
を過ぎて、大分県の東海岸の平野部に出てくると日豊本線と合流します。
やがて、大分県の県庁所在地である大分市の中心駅・大分駅に至ります。
大分市の観光・歴史については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

次は、宇土方面へ
熊本市の観光はいかがだったでしょうか。
次は熊本駅を出発して、宇土(うと)方面へ向かいます!
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