飯田線の旅11【後編】 飯田駅に到着 未来のリニアの街【わかりやすく解説】

飯田線・天竜峡駅~飯田駅の鉄道旅と、未来のリニア駅・飯田市について、初心者の方にもわかりやすく解説してゆきます!

今回は、飯田駅へ

前回で、

  • 伊那谷いなだにに特有の地形
  • 飯田線にカーブが多い理由

を説明しました。
詳しくは、前回の記事をご覧ください。
今回は、飯田いいだ方面へ向かってゆきます。

飯田方面へ近づく(長野県飯田市)

飯田方面へ近づく(長野県飯田市)

「下山ダッシュ」飯田駅をショートカットできそうだけど・・・?

飯田駅いいだえき(長野県飯田市)に近い、

  • 下山村駅しもやまむらえき(長野県飯田市)
  • 伊那上郷駅いなかみさとえき(長野県飯田市)

の区間は、

  • 西へ大きなカーブを迂回して、
  • 飯田市の中心地である飯田駅を経由する

という、超大回りの区間になっています。
直線距離にしてわずか2km程度しかないため、なんとなくGoogleマップなどで見るだけでは、

  • 飯田駅に寄らずに走って、ショートカットできそう

みたいな錯覚が起こってしまいそうなものです(実際は下記の理由により、かなり厳しい)。


この下山村駅~伊那上郷駅の間をあえて列車に乗らずに、ダッシュでショートカットすることを「下山ダッシュ」といいます。
飯田駅では10分以上の停車時間がある列車があるため、急いで走って向こう側に行くと

  • 電車に勝てる
  • 再び同じ列車に乗れる

みたいな事象が起こることから、こうしたアクションが流行ったのだそうです。


しかし、実際にこの区間をダッシュすると、

  • 勾配がかなり厳しいこと。
    かなりのきつい坂をダッシュしなければならない。
  • 車の比較的多い国道(153号)を横断しなければならないこと

もあり、安全の面でもこうした行為はあまりオススメはできないでしょう(※)

※やるならあくまで自己責任で。
私はあまりオススメはしません

飯田駅(飯田市)に到着

鼎駅かなええき(長野県飯田市)を過ぎてゆくと、線路は大きなカーブを描き、やがて

  • 飯田駅いいだえき(長野県飯田市)

に着きます。

飯田駅(長野県飯田市)

飯田駅(長野県飯田市)

飯田駅(長野県飯田市)

飯田駅(長野県飯田市)

長野県最南端の「市」・飯田市

長野県飯田市いいだしは、長野県のトップ都市のうち、

  1. 長野市
  2. 松本市
  3. 上田市
  4. 佐久市さくし

に次ぐ、長野県内で5番目に大きい都市です。
飯田市は、長野県の南部(=「南信なんしん」といいます)における、最大の都市になります。
また、飯田市は後述するように、将来はリニア中央新幹線の駅もできる予定の重要都市でもあります。

そして、「飯田線」の名前の由来になる市ですね。

飯田市はむしろ、県庁所在地よりも愛知県豊田市辺りの方が近い

飯田市は、長野県でも相当南の位置に存在します。
そのため、同じ長野県であるにも関わらず、松本市よりもむしろ

  • 愛知県豊田市とよたし

の方が、直線距離では近かったりします。
そして、飯田市を含めた南信なんしん(南信濃、長野県南部)地方は、愛知県などの中京圏の主要都市との経済的な結びつきが強くなっています
それは恐らくですが、

  • 国道153号(伊那街道/三州街道、後述)

で愛知県豊田市へ通じているからだと思われます。
また、西へ恵那山えなさんを越えるまっすぐな長大トンネルを越えれば、そこはもう岐阜県(中津川市)であり、中京圏に入ってゆきます。

どちらかというと、愛知県志向の飯田市

こうしたことから、同じ長野県でも東京寄り・名古屋寄りの地域でかなり分かれるようです。
例えば木曽・伊那といった南部地域は「名古屋志向」、北部地域は「東京志向」といったイメージです。

かつて飯田市を通っていた「塩の道」

飯田市の景色(飯田駅前)(長野県飯田市)

飯田市の景色(飯田駅前)(長野県飯田市)

飯田市は、歴史的に三州街道(塩の道)の宿場町としても栄えました。

三州街道

  • 信濃国しなののくに(長野県)」
  • 三河国みかわのくに(愛知県東部)」

を結んでいた、昔の人々が徒歩または馬ではるばると通った道のことです。
三州とは、三河国の略称です。
三州街道は、

  1. 長野県塩尻市しおじりしを起点として、
  2. 伊那谷を通り、
  3. 長野県の南西の端にある根羽村ねばむらを通って、
  4. 愛知県東部へと至る

という道です。


塩の道しおのみちは、昔は内陸部では採れなかった

  • 海産物

などを、内陸部へと運ぶのに使われた道のことをいいます。
内陸部でははこうした塩や海産物などは採れなかったため、とても貴重だったのでした。

逆に内陸部からは、山地でしか採れない

  • 山の幸(食料)
  • 木材
  • 鉱物

などといった(海辺の地域では採れない)貴重な材料や資源などを運んでいた道でもあります。

現代でこそ「塩」は、機械によって大量生産することができます。
しかし、昔は海辺にある塩田えんでんでしか作ることしかできませんでした。
つまり「塩」は生活必需品であるにも関わらず、限られていた所でしか作れなかったのでした。
そのため、塩はとても重宝されていたのです。


現在の大糸線おおいとせんも、元々は「塩の道」として人々がたくさん通った通った道をバージョンアップさせて出来た路線です。
かつてはここで、塩などの運びが行われたのでした。
ちなみに大糸線とは、

  • 新潟県の日本海側に位置する糸魚川市いといがわし
  • 長野県の内陸部にあたる大町市おおまちし

を結んでいる(実際には、大町市より南の松本市までを結んでいる)路線です。
「大町」と「糸魚川」の頭文字を取って、大糸線です。


話を元に戻します。
こうして塩を運んでいた三州街道(塩の道)ですが、その塩の在庫が途切れた場所が、

  • 塩尻しおじり

というわけです。

またこうした昔の「塩の道」は、時代とともに

  • 大糸線」「飯田線」のような鉄道線路
  • より大きく真っ直ぐで綺麗な自動車のルート

となって、現在も主要なルートとして残っています。

未来のリニア駅・飯田市

飯田市は、リニア中央新幹線の長野県駅が出来る街となる予定があります。
リニア中央新幹線おける、長野県内唯一の駅は、飯田駅のやや北東にある伊那上郷駅の東側あたりに建設が計画されています。

また、予定のリニア駅は長野県の「南の玄関口」にふさわしい駅とするために、様々な計画が出されています。
東京や名古屋からもたくさんの人がやってくる可能性があるため、おそらくかなり立派で豪華な(未来的な)駅舎になるものだと思われます。


リニア中央新幹線は、様々な理由により、当初の計画よりも遅れており、2030年以降の完成が予定されています。

しかし、もしリニア中央新幹線が開業すると、飯田市から東京までの所要時間は約3時間短縮され、東京から45分の圏内に含まれることになります。
つまり、東京との日帰りが余裕でできようになるのです。

また、飯田市から名古屋までの所要時間は約27分です。
先述の通り、飯田市をはじめとする南信地域は名古屋をはじめとする中京圏とのつながりが強いため、リニアが出来ることでさらにそのつながりは強く便利なものになるかもしれません。

次回は、駒ヶ根・伊那・辰野方面へ

次回は、この「飯田線の旅シリーズ」の最終回となる予定であり、

  • 駒ヶ根こまがね
  • 伊那いな
  • そして終着点の辰野たつの

に着く予定です。

今回はここまでです。

お疲れ様でした!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。
そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。
再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。
何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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