上越線・六日町の鉄道旅と、ほくほく線の歴史や南魚沼の地理・歴史などについて、初心者の方にもわかりやすく解説してゆきます!
越後湯沢→六日町 南魚沼の旅
前回は、主に越後湯沢の観光や地理などについてお話しました。
今回は、越後湯沢駅(新潟県南魚沼郡湯沢町)を出て、六日町(南魚沼市)・長岡・新潟方面へ向かってゆく行程となります!
窓の右に登場 大源太山(だいげんたやま)
越後湯沢駅を出てすにぐ、右手の奥に鋭く尖った山が見えます。
これは大源太山です。
「上越のマッターホルン」大源太山
この山は「上越のマッターホルン」の異名通り、ピラミッドのような形をしているので、すぐに見つかりますよ!
大源太山とは?
- 所在地:新潟県湯沢町
- 概要:その鋭い山容から「上越のマッターホルン」と呼ばれています。
湯沢の街からもその特徴的な形がよく見え、地域のシンボルとして愛されています。
マッターホルンとは?
ちなみに大源太山の由来となったマッターホルンは、ヨーロッパのアルプス山脈にそびえ立つ、世界で最も有名な山の一つです。
まるで四角錐(ピラミッド型)のような、鋭く尖った独特の形が最大の特徴です。
したがって、一度見たら忘れられないほどのインパクトがあります。
- 所在地:スイスとイタリアの国境に位置しています。
- 標高:富士山よりも高い4,478mもあり、熟練の登山家にとっても憧れであり、また同時に非常に危険な難所としても知られています。
石打駅〜塩沢駅付近(右側)巻機山(まきはたやま)(南魚沼市)
また、六日町方面へ少し北上した石打駅〜塩沢駅(いずれも新潟県南魚沼市)あたりから、右側にどっしりと構える大きな山塊が見えてきます。
これが巻機山です。
この山は、古くから織物の神様が宿ると信じられてきたため、このような名前がついています。
したがって、織物の町である塩沢や六日町の人々にとって、非常に大切な山なのです。
巻機山(まきはたやま)のデータ
所在地:新潟県・南魚沼市・群馬県みなかみ町
穏やかな稜線が美しい、日本百名山の一つです。
名前の通り「織物の神様」が住む山と信じられており、後ほど解説する小千谷縮などの和服・織物文化とも深い関わりがあります。
六日町駅(南魚沼市)へ到着
ほくほく線との分岐駅・六日町駅
六日町駅(新潟県南魚沼市)は、
- 上越線
- 北越急行ほくほく線
それぞれが分岐するという、お米の名産地域である南魚沼市の拠点駅です。
すなわち、かつて北陸新幹線が金沢まで開業するまでは、首都圏と北陸地方を結ぶ、
- 特急「はくたか」
がほくほく線を経由して、この駅を通過していました。
ほくほく線とは、新潟県の
- 六日町駅(新潟県南魚沼市)
- 犀潟駅(新潟県上越市)
をそれぞれ結ぶ鉄道路線で、かつて特急列車が高速で走行していました。
かつての北陸ルートは「ほくほく線」経由!
2015年に北陸新幹線が金沢まで延伸される前は、以下のルートが首都圏と北陸を結ぶメインルートでした。
- 東京から上越新幹線で、越後湯沢駅へ行く。
- 越後湯沢駅で特急「はくたか」に乗り換える。
- ほくほく線(北越急行)を通り、富山・金沢へ向かう。
当時は、特急「はくたか」がほくほく線内を、在来線としては日本最速の160km/hで駆け抜けていたわけですよ!
新幹線ができて便利になりましたが、あの疾走感あふれる乗り換え旅が懐かしいと感じる鉄道ファンも多いですね!
ほくほく線が160km/hも出せる理由
普通の線路(在来線)は時速130kmが限界です。
しかし、ほくほく線が160km/hも出せる理由は、以下のようなものがあります。
まずは、踏切が一つもないという点です。
高速で走るために、車などが走る道路と線路が交差している場所は、すべて立体交差になっています。
立体交差:道と線路が重ならないように、橋やトンネルで上下に分かれている構造のことです。
また、長大トンネルがもたらす直線が多いことです。
ほくほく線は全般的にカーブが非常にゆるやかであり、山をみんなトンネルで突き抜けるという、非常にまっすぐで直線的なルートになっています。
したがって、在来線でありながら、ほとんど新幹線に匹敵するようなスピードを出すことができたのですね!
鉄道の歴史では遅い部類→当時の最新のトンネル掘削技術が可能に
また、ほくほく線(北越急行)が全通したのは平成の1997年と、(明治時代から始まった)鉄道の歴史の中では、かなり遅い・新しい部類に入ります。
そのため、この時代になるとトンネルを掘る最新技術の投入が可能となり、技術が飛躍的に向上した時期に建設されました。
したがって、古い時期(明治時代など)に作られた、まるで山や谷を避けるように敷かれた「カーブの多い線路」ではなく、「真っ直ぐ突き抜ける」ための長大トンネルをいくつも造ることが、当時はもやは可能になったのです。
この当時としては最新のトンネル技術のおかげで、特急「はくたか」が時速160kmで走れるような、平坦で直線的な線路が実現したのでした。
特別な信号「高速進行」
また、この時速160kmで走るために、通常の「青信号(進行)」よりもさらにランクが上の、「高速進行(緑のランプが2つ点灯)」という、普通はありえないような特別な信号が使われていました。
これにより、特急「はくたか」がトンネル内を猛烈なスピードで駆け抜ける姿は、まさに圧巻の一言でしたね!
ほくほく線はなぜできた?
ほくほく線は、もともとは
- 「雪に強い住民の足」
- 「北陸(金沢・富山など)へのショートカット」
として作られました。
まずは、冬場の交通安全確保という点です。
豪雪地帯である十日町や松代などの住民の皆さんには、冬でも安全に移動できるようにという願いがありました。
そして、国鉄の夢の続きを引き継いだという点です。
かつては「北越北線」という、あくまで国鉄の路線として計画されました。
しかし、財政難のために一度建設がストップしました。
そこで、地元が「自分たちでやろう!」と第三セクターを立ち上げ、完成させたのです。
また、将来に新幹線を通すことも見据えて、急カーブが少なくトンネルが多い「高規格な線路」で作られたのでした。これにより、特急「はくたか」が日本最速で走ることができたのですね!
在来線→ほくほく線への「乗り入れ」の仕組み
特急「はくたか」は、上越線(在来線)からほくほく線へと、そのままスムーズに乗り入れていました!
その理由として、まずは線路の幅が同じという点でがあります。
ほくほく線も、上越線などの普通のJR在来線と同じ1,067mmという線路幅(狭軌)で作られています。
次に、電車の電気も同じという点です。
どちらも直流1,500Vという同じ電気を使っているので、途中で止まることなく、それぞれ直通運転ができたのですね。
ちなみに新幹線(1,435mm)の場合線路の幅が違うため、新幹線がほくほく線へそのまま入ることはできません。
「はくたか」の名前は新幹線へ
2015年3月、北陸新幹線の金沢延伸に伴って、それまでの在来線特急としての「はくたか」は、その役割を新幹線にバトンタッチしたため、惜しまれつつも廃止されました。
延伸:鉄道などの線路が、さらに先まで延びること。
しかし、「はくたか」の名前は北陸新幹線の停車タイプ(各駅停車に近い形)の列車名「はくたか」として、今もしっかりと伝統が受け継がれています。
南魚沼市の地理・歴史など
六日町・五日町の由来(南魚沼市)
南魚沼市のこの地域にはこうした地名が多いことに気付くと思いますが、これらは「市」が開かれた日に由来しています。
これらは、いわゆる定期市の名前です。
昔、毎月のうち、
- 「六」のつく日に市が開かれたのが六日町
- 「五」のつく日に開かれたのが五日町
- 「十」のつく日に開かれたのが十日町(こちらは西隣の十日町市)
ということになります。
定期市(六日町など)の理由
昔は今のように「毎日開いているお店」が少なかったのでした。
というのも、たとえ毎日お店を開いても、今ほどは人が集まりにくい時代でした。
そのため、「この日はここ!」と日にちを決めて集まることで、売り手も買い手も効率よく商売ができたというわけです。
また、定期市は買い物をするだけでなく、周辺の村々から人が集まってくるという、大切なコミュニケーションの場でもありました。
それが地名として今も残っているのは、とても素敵ですね!
コシヒカリの一大産地・南魚沼市
そして、駅のある南魚沼市は、全国的にも有名なコシヒカリの一大産地です。
魚沼付近で米が盛んな理由は「水」と「土」と「気温」
ブランド米として有名な「魚沼産コシヒカリ」は、この土地ならではの恵みから生まれています。
まずは、豊富な雪解け水です。
山に積もった大量の雪が春に溶け出し、ミネラルをたっぷり含んだ清らかな水となって田んぼを潤します。
ミネラル:カルシウムやマグネシウムなど、体や植物の成長に欠かせない無機質の栄養素のこと。
次に、お米が喜ぶ気温差です。
魚沼は盆地(山に囲まれた土地)なので、昼夜の温度差が非常に大きいです。
昼間に太陽の光を浴びて作った栄養を、夜の涼しさでしっかりとお米に蓄えることができるのですね!
そして、南魚沼地域ならではの、肥沃な粘土の質の土です。
すなわち、栄養分を逃しにくい土壌であるため、お米が力強く育ちやすいわけです。
肥沃:土地が肥えていて、作物がよく育つ状態のこと。
雪解け水にミネラルが多い理由
また、雪が解けて出来た水は、単に「空から降ってきた水」だけで出来ているはないわけです。
山に積もった大量の雪は、春になると解けて、地中に染み込みます。
このとき、水は土壌の栄養を吸収するわけです。
そして、水が長い時間をかけて地層を通っていくことで、土や岩石などに含まれているミネラル分をたっぷり吸収するのですね!
したがって、魚沼の田んぼを潤す水は、山からの「天然の栄養剤」を含んでいると言えます。
命名に込められた願い
コシヒカリの「コシ」は、越後を含む「越の国」を意味しています。
すなわち、コシヒカリという名前には、
という素敵な願いが込められているわけですよ!
越(コシ)とは昔の地名で、現在の新潟県(越後)だけでなく、福井県(越前)や富山県(越中)などを含む北陸地方一帯を指します。
また、光(ヒカリ)とは、その名の通り、光り輝くような美味しさと、産地の希望となるようにという意味です。
六日町駅周辺の酒蔵 (南魚沼市)
したがって、南魚沼市の六日町駅周辺には、酒蔵や温泉施設なども多く、雪国の豊かな文化を楽しむことができます。
雪は「自然の冷蔵庫」?
新潟では、雪はいわゆる「自然の冷蔵庫」であり、昔から「雪室」として活用されています。
雪室:雪を積み上げて保存し、その冷気で食品を貯蔵する天然の冷蔵施設です。
まず、雪は「電気を使わない冷房」という点です。
冬の雪を大きな倉庫に溜めておき、夏まで冷気を保ちます。
これにより、美味しさがアップします。
雪室は温度が一定(約2度)であり、湿度が非常に高く、乾燥しにくい(野菜などにとっては嬉しい環境)のが特徴です。
これがお米を乾燥から守り、野菜(人参など)の甘みを引き出してくれるわけです!
まさに、自然がくれた魔法の冷蔵庫ですね!
夏でもひんやり!「雪室」の不思議
雪室は、夏でも驚くほど涼しいですよ!
それはまさに、天然のエアコンそのものです。
雪室の中は、真夏でも室温が5度前後に保たれています。
また、電気冷蔵庫とは違い、湿度が90%以上と非常に高いのが特徴です。
すなわち、乾燥を防ぎながら冷やすたことができるため、まさに(乾燥したらヤバい)野菜がシワシワにならず、しかもお米もまるで新米のような美味しさをキープできるというわけです。
次回は、浦佐駅へ
おわりに:さて次回は、浦佐・小出・新潟方面へ向かってゆきます!
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