鉄道唱歌 山陽・九州編 第8番 姫路に到着! 世界遺産の姫路城、そして播但線との分岐点

まずは原文から!

阿彌陀(あみだ)は寺の音に聞き
姫路(ひめじ)は城の名にひゞく
こゝより支線(しせん)に乘(の)りかへて
ゆけば生野(いくの)は二時間餘(にじかんよ)

さらに読みやすく!

阿弥陀(あみだ)は寺の音に聞き
姫路(ひめじ)は城の名にひびく(響く)
ここより支線(しせん)に乗りかえて
ゆけば生野(いくの)は二時間余(にじかんよ)

さあ、歌ってみよう!

♪あみだはてーらの おとにききー
♪ひめじはしろのー なにひびくー
♪ここよりしせんに のりかえてー
♪ゆーけばいくのは にじかんよー

(山陽本線)
神戸駅→兵庫駅→鷹取駅→須磨駅→舞子駅→明石駅→加古川駅→姫路駅→相生駅(旧・那波駅)→岡山駅→倉敷駅→福山駅→尾道駅→糸崎駅→三原駅→海田市駅→広島駅→西広島駅(旧・己斐駅)→五日市駅→宮島口駅→岩国駅→柳井駅→徳山駅→防府駅(旧・三田尻駅)

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記
※鉄道唱歌のできた当時(1900年)は、防府駅(旧・三田尻駅)から先は開通していなかったため、徳山港から船で門司(九州)へ

兵庫県姫路市は、世界遺産の姫路城で有名です。
姫路城は、日本初の世界遺産として登録されました。

姫路城は外観・風貌がとにかく美しいことで知られています。見た目も美しいですし、防御面でも優れた平和の象徴ともいえます。

姫路城(兵庫県姫路市)

姫路城は江戸時代には、中国地方や九州地方の大名を監視したり防御したりするために、西日本の防衛の重要拠点とされていました。
中国地方や九州地方には、関ヶ原の戦いで「西軍」という、徳川家康に対して敵対した大名が多く配置されています(外様大名)。
こうした外様大名は関ヶ原の戦いの罰として多くの領地を減らされて配属になった者もいたため(「減封(げんぽう)」といいます)、徳川家に対して恨みを抱いている可能性もあります。
なので、江戸幕府としてはこうした中国地方や九州地方の大名が謀反や反乱を起こさないように監視する必要がありました。その監視の重要拠点が、姫路城だったわけです。

しかし江戸時代、姫路城の城主何度も家系が変わっています。その理由は城主が幼少で政治のスキルが足りていなかったり、幕府から信頼されていなかったりと様々でした。
中国地方や九州地方の防衛の要だっただけあって、姫路城の城主の配置には幕府も相当神経質だったようです。

また、姫路城は太平洋戦争(大東亜戦争)において、空襲で奇跡的に破壊されずに残ったというエピソードもあります。
なぜ姫路城だけが破壊されずに無事だったのかは、米軍による配慮があったことや、姫路城のお堀が米軍のレーダーに映らなかったために攻撃目標として察知できたなかった(つまり、お堀によって空襲から守られた)など様々な説があります。

姫路の景色(姫路城より)

姫路駅からは、播但線(ばんたんせん)という生野(いくの)方面へ向かう鉄道路線が出ています。
歌詞では「支線に乗り換えて」とありますが、鉄道唱歌の当時はあくまで山陽線の「支線」であったようです(?実際には1890年代の「播但鉄道」という私鉄が起源であり、真偽は不明)。つまり、本線に附属した路線だったということです。
現在では播但線という独立した路線です。

播但線は、「播磨(はりま)」と「但馬(たじま)」のを結ぶ路線という意味合いからきています。
播磨国(はりまのくに)」とは、現在の兵庫県西部をいいます。
但馬国(たじまのくに)」とは、現在の兵庫県北部をいいます。

播但線は、兵庫県姫路市の姫路駅と、兵庫県朝来市(あさごし)の和田山駅(わだやまえき)を結ぶ路線です。
途中には、歌詞にあるように生野銀山(いくのぎんざん)で有名な生野や、「天空の城」で有名な竹田城跡(たけだじょうあと)のある竹田駅があります。
竹田城跡は、いわゆる「天空の城」として有名です。なぜ天空の城なのかというと、比較的低い位置に霧ができるので、山の上にある城は雲海(うんかい)を見下ろすことができます。
これにより、天空の城と呼ばれるわけです。

ここから生野方面の列車が分かれていますが、姫路駅から生野駅・竹田駅・和田山駅まで直通する列車は少ないようです 。
途中で寺前駅(てらまええき、兵庫県神崎郡神河町)で乗り換えが必要です。
したがって、播但線も残念ながら加古川線や広島県の木次線(きすきせん)などと同様に、山陽~山陰を結ぶ陰陽連絡路線(いんようれんらくろせん)としての機能はちょっと弱いようです。
現代での山陽~山陰間の移動は「真っ直ぐで走りやすい高速道路」が充実しているため、高速バスが圧倒的優位です。速さ・値段の面で鉄道が高速バスに優位に勝つのは、特急列車などを設定しない限り(しても)なかなか難しいといえます。

生野銀山(いくのぎんざん)は、幕府の直轄地であり、また明治時代には官営模範銀山として発展しました。
直轄地とは、幕府が直接経営する場所のことです。
こうした直轄地は、島根県の石見銀山も該当します。
模範銀山(もはんぎんざん)とは、幕府によって「この銀山の仕組みを見習って運営せよ」と他の銀山に示す銀山です。

なお歌詞冒頭の「阿弥陀(あみだ)」とは、人々を幸せに導いてくれる(救済してくれる)仏様のことです。
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」とは、阿弥陀様に帰依(きえ)します、という意味になります。
そしてこれを唱えた人は幸せになれる(救済される)いう仕組みです。

しかしこの地域と「阿弥陀様」との関連性は散々調べたのですが、よく分かりませんでした。
また分かり次第加筆するかもしれません。

姫路駅(姫路市)

姫路駅から先は相生(あいおい)方面へ向かいたいわけですが、姫路駅では網干(あぼし)行きまたは播州赤穂(ばんしゅうあこう)行きのいずれかに乗りかえます。
ここでは、播州赤穂行きに乗り換えて、途中の相生駅で山陽線に乗りかえるというやや複雑な乗りかえになります。
というのも、網干行きに乗り換えるとそれ以上先(相生方面)へ行くにはどのみちまた乗り換えが発生するからです。
また、相生駅で山陽線上郡(かみごおり)方面・岡山方面へ乗りかえなければ、赤穂線に入ってしまいます。播州赤穂駅による予定出ない場合は山陽線のルートから外れるため、相生駅で山陽線への乗りかえになります。

そして、姫路駅や相生駅では乗り換え時間がわずか2分とシビアになりがちです
列車を降りた瞬間みんなでダッシュして次の列車に急ぐという光景が(特に青春18きっぷのシーズンには)よくみられます。

次は、相生駅に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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