黒姫山(長野県)の観光・歴史について、詳しくない方にも、わかりやすく解説していきます!
また、「黒姫伝説」についても解説しています!

「黒姫伝説」で知られる、黒姫山(長野県)
今回は、長野県北部・妙高山・黒姫山、そして黒姫伝説の話題です。
黒姫駅(長野県北部・信濃町柏原)へ
スタートは長野駅(長野県長野市)であり、しなの鉄道・北しなの線にしたがって、妙高高原方面へと向かいます。
長野駅→(北しなの鉄道)→黒姫駅までの行程については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

やがて、黒姫駅(長野県上水内郡信濃町柏原)に着きます。

しなの鉄道(北しなの線)・黒姫駅(長野県上水内郡信濃町大字柏原)
黒姫駅は、明治時代の開業当初には柏原駅と呼ばれていました。
また、明治時代に大和田建樹という方が作詞された歌である鉄道唱歌 北陸編 第31番でも、
ゆけば田口は はや越後
と歌われています。
豊野:しなの鉄道(北しなの線)・豊野駅(長野県長野市豊野町)のこと
牟礼:しなの鉄道(北しなの線)・牟礼駅(長野県上水内郡飯綱町)のこと
田口:えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン)・妙高高原駅(新潟県妙高市田口)のこと
詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

すなわち、長野県北部・信濃町・柏原という地域に存在する駅のため、元々は「柏原駅」だったわけです。
しかし、黒姫山と黒姫伝説で有名なため、「黒姫駅」に改められたわけです。
ともあれ、まずは黒姫駅からのスタートです!

しなの鉄道(北しなの線)・黒姫駅(長野県上水内郡信濃町柏原)
黒姫駅のホームからの、抜群の景色です。
早速西側に、既に黒姫山の景色が登場してきています!
黒姫山はまるで富士山にも似ているため、信濃富士とも呼ばれます。

黒姫山(左)と、妙高山(右)(長野県)
黒姫山(左)と妙高山(右)。
とても仲がよさそうですね。
※ただ、この2つの山は、いわゆる「北信五岳」とよばれる、5つの山の2つに過ぎません。
ほかにあともう3つの山(飯綱山・戸隠山・斑尾山)が存在します。
黒姫山の隣にある、妙高山(みょうこうさん)
黒姫山の話題に入る前に、まずは黒姫山の右隣(北側)にある、妙高山の話題からはじめたいと思います!

妙高山(長野県)
妙高山(標高2,454m)は、新潟県妙高市にある、いわゆる溶岩ドーム(※後述します)の火山です。
また、妙高山は活火山のランクC(=火山だけど、あまり噴火のおそれがないこと:後述します)に指定されています。
「溶岩ドーム」とは
いわゆる溶岩ドームとは、火口から噴出して、火口付近に積み上がった、小さい山のような地形のことです。
溶岩ドームが作られていくプロセス
ここで、溶岩ドームが出来ていくプロセスは、おおむね次のとおりです。
- 火山の下から、マグマ(岩のドロドロ液体)が噴出する
- マグマが、噴火口のあたりで急に冷やされ固まり、溶岩ができる
- 溶岩が上に積み上がってゆき、さらに高く成長していく
- 長年にわたって「雨」や「風」にさらされ風化・削られることで、丸い「ドーム」になる
また、溶岩ドームは後から上がってくるマグマによって成長したり、押されて崩壊したりすることもあります。
溶岩ドームについては、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

「マグマ」とは?
ここでマグマとは、岩が高温で溶けて融点を上回り、ドロドロの液体になってしまった岩のことです。
例えるなら、
- 水と「氷」
- マグマと「溶岩」
のような関係です。
マグマとは何か?については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

数ある「溶岩ドーム」の例
溶岩ドームの例としては、次のようなものがあります。
- 北海道・千歳市近くの樽前山(たるまえさん)
- 中国地方最高峰の大山(だいせん)
- 長崎県・雲仙岳(うんぜんだけ)の平成新山
- 昭和新山(北海道)
活火山のランク分けとは
活火山のランク分けには、A~Cの三段階があります。Aが最も頻繁になります。
- S:ジャイ◯ンのように、常に怒っていて手のつけようのない人。心が常にマグマのような人。
- A:いつも噴火していて、煙を上げている火山
- B:いつ噴火してもおかしくない火山
- C:ほんとんど噴火していなく、今後も噴火の見込みが少ない(けど油断はできない)火山
- Z:いつも心穏やかで、心のマグマが噴火する恐れのない、怒らない人
例としては、次のようなものがあります。
ランクSの火山とは(※冗談)
ジャイ○ンのように、常に火山のように怒っている人のことです。
すなわち、心の中は、常にマグマ(※)が溜まっている状態になります。
※心のマグマとは、以下のようなものをいいます。
- 社会への不平不満
- 思いどおりにならない人生への、不平不満
- 劣等感、他人のSNSアカウントなどを見て抱く嫉妬心
つまり間欠性爆発性障害といって、
- 抑えきれないほどの、怒りの感情・衝動が起きる
- 他人に罵声を浴びせたり、ひどいときには暴力を振るったりする
といった障害・精神疾患です。
怒りを鎮めるため・怒らないための対策
しかがって、常に火山のように怒っている人は、「アンガーマネジメント」を徹底しましょう。
怒りっぽい人は、こういう言い方はどうかと思いますが、怒らないためには
- 「相手を見下すこと」
- 「無視して逃げること」
が重要です。
みたいな感じで思えば、怒りの感情は抑えられるわけです。
すなわち、犬にギャーギャー吠えられても怒る人はいないとの同じですね。
すなわち、相手を下に見ることで、たとえ「冷やかし」や「中傷」を受けたとしても、決して怒らずに相手を無視することができるというわけです。
怒りっぽい人は、実は成功しやすい!?
先述の通り、怒りっぽい人は、常に「心にマグマ」がたまっていることになります。
しかしその「怒り」「マグマ」は、正しい方向に向けてやれば、甚大ならぬパワーの源になったりするわけです。
そして、それがあなたを偉大な人にするのです。
「怒り」は、決していけないことではない(重要)
「怒り」は、生物が危険を感じたときにおきる、正当な防衛反応です。
つまり、怒りっぽい人は、普通の人と比べて、その「導火線」が短く出来ているだけです。
したがって、怒りっぽいことで、あまり気にしないことも重要になってきます。
ランクAの火山とは
本題に戻りましょう。
ランクAの火山というのは、100年単位での噴火あるいは1万年単位での活動度が、特に高い活火山です。
言い換えれば、常に煙がモクモク吹き上げているような火山のイメージですね。
逆にいえば、500万年前にめっちゃ噴き上げていたけど、今は噴き上げていないのであれば、ランクAにはならずに、ランクCになります。
ランクAの火山の例
- 十勝岳(とかちだけ:北海道)
- 浅間山(あさまやま:長野県)
- 阿蘇山(あそさん:熊本県)
- 桜島(さくらじま:鹿児島県)
これらの山は、いつも煙をモクモク噴き上げているイメージがありますね。
ランクBの火山とは
次に、ランクBの火山とは、100年または1万年単位で、火山活動のレベルがが高い活火山のことをいいます。
例えば、江戸時代の数百年前に噴火した火山であれば、今後も数百年以内に噴火する可能性が高いため、ランクBになります。
ランクBの火山は富士山(最後の大きな噴火は1707年)をはじめ、
- 雌阿寒岳(めあかんだけ:北海道):最後の大きな噴火は1955年
- 磐梯山(ばんだいさん:福島県):最後の大きな噴火は1888年
- 霧島山(きりしまやま:宮崎県・鹿児島県):最後の大きな噴火は2018年
など、数百年前に活動した実績があります。
そのため、今後も発生する可能性があるだろうと考えられる活発な火山が、ランクBに分類されています。
ランクCの火山とは
火山活動の可能性が、比較的低い火山です。
もちろん、全く噴火しない確証があるわけではありません。
ランクCの火山は、
- 過去に噴火したことがない
- または、非常に長い間噴火していない場合
などの場合に、噴火の可能性が低いと判断されます。
例えば、500万年前に最後に噴火した火山であれば、ランクCに分類されます。
ちなみに「死火山」という言葉は使われなくなってきています。
ランクZの火山とは(※冗談)
常に心穏やかで、怒らない人のことです。
心に余裕があるため、怒らずにいられるのです。
まるで仏様のような人ですかね。
修行によって心のコントロールが出来ているため、怒らないわけです。
越後富士・妙高山
妙高山は新潟県を代表する山の1つであり、越後富士(えちごふじ)の異名を持っています。
山のふもとには温泉がわいてきて「妙高温泉」などの名所となっています。
そのほか、スキーなどの冬期スポーツのリゾート地としても知られています。
妙高山にうかぶ「はねうま」などについては、こちらの記事(当サイト)でも解説していますので、ご覧ください。
また、妙高山は、フォッサマグナの北部における「糸魚川静岡構造線」とよばれる「大地の境目」の、すぐ東側に位置しています。
ちなみに「フォッサマグナ」「糸魚川静岡構造線」とは何か?については、こちらの記事(当サイト)でも解説していますので、ご覧ください。
「北信五岳」のひとつ
- 黒姫山
- 飯縄山(いいづなやま)
- 斑尾山(まだらおやま)
- 戸隠山(とがくしやま)
とともに、北信五岳のひとつに数えられています。
北信とは、信濃国の北部、つまり長野県北部という意味です。
大昔、火山の噴火によって形が崩壊してしまった、妙高山
妙高山は、過去に大規模な噴火があったことから、山体崩壊してしまっています。
山が崩れてしまう前の標高は、おおよそ2,800~2,900m程度であったと推測されています。
同じく、火山によって山が崩れてしまった北海道・渡島富士については、こちらの記事でも解説していますので、ご覧ください。
黒姫山(くろひめやま)

黒姫伝説で知られる、黒姫山(長野県)
黒姫山は、長野県北部にある、標高2,053mの山です。
まるで富士山のように整った形をしているため、郷土富士として信濃富士とも呼ばれています。
郷土富士とは、全国各地の「富士山そっくりの山」のことです。
詳しくは、こちらの記事(当サイト)でも解説しているため、ご覧ください。
黒姫山は、先述の妙高山とともに、いわゆる北信五岳のひとつに数えられています。
黒姫山は、いわゆる「森林限界」にはない
標高約2,000mである黒姫山は、いわゆる標高2,500m程度の「森林限界」には達していません。
しかし黒姫山では、土に含まれる、植物が生きていくために必要な栄養成分が乏しくなっています。
そのため、黒姫山におけるカルデラの内壁には、いわゆる標高2,500m以上で育つような、いわゆる高山性植物群落が成立しています。
森林限界とは
いわゆる森林限界とは、
- 「標高が2,500mを越えるような高い山」
- 「高い緯度の地域」
などにおいて、高木が森林として生きていけなくなる限界線のことです。
いわゆる「高山」という過酷な環境で育つ植物
標高が2,500mを越えるような高山には、以下のような過酷な条件が揃っています。
- 空気が薄い
- 気圧が薄い(体内からの圧力が高くなるため、体調に不調をきたす)
- 気温が低い(低体温症の原因になる)
- 強風
- 気候が荒れやすい
すなわち、主に低い温度だったり、乾燥しているなどの、様々な環境条件が影響してくるわけです。
そして、そのボーダーライン(限界値)を超えると、植物が生きていけるかどうかが、劇的に変わってくるというわけです。
したがって、それ以上高い山になってくると、過酷な状況でも生きていけるような高山植物や低木などが広がってくるわけです。
なぜ高山植物は、高い山でも生きられるのか
高山植物は、基本的に
- 空気の薄い環境
- 気圧の低い環境
- 雪が積もる環境
- 高山特有の「強風」「突風」が吹き荒れる環境
などの厳しい環境でも生きていけるような体のつくりになっています。
そのため、標高2,500mを越えると、地上とは明らかに違う気候になってきます。
人間であれば「高山病」のリスクが高まってくるわけです。
高山植物が、高い山で生きるメリット
なぜ高山植物があえて、高い山に住んでいるのか。
それは、ライバルとなる植物からわずかな栄養を独占するためになります。
すなわち、競合する植物から逃れるため、あえて高山という厳しい環境に適応できるような体になったわけです。
植物は、常に周りの植物と、「土に含まれる栄養分」を奪い合いながら生きています。
もし「雑草」が生えてくると、本来そこに住んでいた植物の栄養分を雑草が奪ってしまうことになります。
したがって、雑草は常に処分していかないといけないわけです(のび太君が嫌いな「草むしり」ですね。)
黒姫伝説とは!?できるだけわかりやすく解説!!
毒ヘビが少女(黒姫)に恋して邪魔され、仕返しに水害をもたらした物語!?
黒姫伝説とは、主に長野県北部に伝わるストーリーです。
しかも地域によって様々なバージョンが存在していますが、共通しているストーリーが、大抵が以下のようなものです。
しかし、村人たちに恋を邪魔されてしまい、
仕返しとして池の水をわざと干上がらせて水不足を発生させ、水害をもたらした
というのが、だいたいの物語(ストーリー)となります。
つまり、イケメンに化けた毒ヘビが黒姫に近づき、高梨氏をはじめとする村人たちから、剣で追い払われて、邪魔をされるわけです。
しかも、毒ヘビは恋を邪魔されたはらいせに、村に水害を起こすという始末です。
水害が起きたときには、「これは毒ヘビのたたりじゃ~」みたいな噂が飛び交い、村人たちがあわてふためく、というような感じですね。
黒姫伝説のキャラクター・高梨氏
このように、黒姫伝説には、「高梨氏」という、かつて長野県北部に勢力を持っていた一族が登場します。
高梨氏とは?
高梨氏は、かつて信濃国(長野県)北部において勢力を持っていた、武家・武士の一族です。
全盛期の高梨氏の本拠地は、現在の長野県中野市のあたりになります。
中野市は、県庁所在地の長野市の、やや東にある街になります。
現在でも、中野市には高梨氏館という、簡易な城の跡が残っています。
ヒロインの黒姫は、この高梨氏の娘さんということになっています。
黒姫物語の、数あるストーリーの一つ「岩倉池」
以下が、いわゆる「岩倉池」に住んでいる毒ヘビが、黒姫に対して恋をしてしまった、というストーリーです。
そもそも、「岩倉池」って何?実在するの?
「岩倉池」とは、どうやら実際には存在しない池のようです。
黒姫物語においては、黒姫に恋して邪魔された毒ヘビが、池の水を干上がらせて村に水不足を起こさせる、ことが前提のストーリーになっています。
したがって、ストーリーにはなんらかの「池」が必要となってくるため(?)、このような「岩倉池」という架空の池が登場するものと思われます。
※昔は存在した池なのかもしれません。あくまで筆者の推測です。
また、実在する池としては、長野市のやや北東にある、志賀高原の大沼池が挙げられます。
イケメンに化けて、黒姫に近づく
岩倉池に住む毒ヘビは、黒姫に恋をしてしまったのでした。
やがて毒ヘビは、小姓(こしょう:武士の一つ)の姿に化けて、姫の元へと通ったのでした。
つまり、イケメンに化けて黒姫に近づこうとしたわけです。
正体がばれてしまう
こうしてイケメンに化けた毒ヘビは、なんとかして黒姫の気を引いて、自分が住んでいる岩倉池にまでさらってしまおう、と企んでいたのでした。
※別バージョンの物語では、黒姫もイケメンのことを「彼、なんだかいいな」と思っていた描写もあるようです。
しかし、これを不審に思った人々から岩倉池にまで尾行されてしまい、イケメンはついに正体がバレてしまうのでした。
怒った毒ヘビが、村を襲った
これに毒ヘビは怒り、その小姓に毒を吐きかけて、死なせてしまいました。
しかしこれをきっかけに、毒ヘビの悪巧みの噂は、村中へも広く知られるところとなったのでした。
怒った毒ヘビが、報復措置で水害を発生させた
毒ヘビは、思い通りに姫と両想いになれない仕返しに、四十八池(※)の水を全部干上がらせてしまい、水不足をわざと発生させてしまったのでした。
※長野市東部の志賀高原にある、たくさんの池の総称です。
そして毒ヘビは報復措置として、高梨氏の一族を絶やしてしまおうと、くわだてたのでした。
恐らくですが、毒ヘビは山の上にある四十八池の水を、ふもとの中野市にある高梨氏の城(高梨氏館)にまで落としてやろうとしたものと思われます。
毒ヘビが、山の神様に邪魔される
こうした毒ヘビの悪巧みに気付いた、地獄谷(※)にいる山の神様は、恩顧・恩義のあった高梨氏の人々を、毒ヘビの手から守ろうとしたのでした。
そして山の神様は、燃え上がる地獄の火によって、毒ヘビの手によって落ちてきた水を蒸発させ、消してしまったのでした。
これにより、村人たちは救われたのでした。
※地獄谷:いわゆる志賀高原にある谷のことです。
山の神様を怒らせてしまった毒ヘビは、あわてて池へと水を戻したのでした。
しかし既に時遅く、志賀高原の池には、ほとんど水が残っていなかったのでした。
黒姫伝説・さらに詳しく・別のバージョンも
かつて現在の長野県中野市に本拠地をかまえていた高梨政盛には、政頼と黒姫という、2人の子供がいたのでした。
高梨氏から愛されまくった、娘の黒姫
若くて可愛らしい、まさしく容姿端麗の美人であった黒姫は、高梨政盛からの寵愛をすごく受けていたのでした。
※別バージョンの物語では、あまりに可愛らしいい黒姫は、たくさんの男から求婚されていた、とも。
イケメンに化けた毒ヘビが、黒姫に近づく
そんな黒姫のもとに、わずか20歳ほどの青年(イケメン)が、近付くようになったのでした。
高梨氏の家臣(家来)たちがそのイケメンを捕らえようとするも、手に負えませんでした。
どうにもならなくなり怒った高梨政盛は、自らの手でそのイケメンを引っ捕らえようと、黒姫が寝ている寝室の前で待ち構えていたのでした。
※別バージョンの物語だと、黒姫の父である高梨政盛は、求婚してくるイケメンに対して、様々な試練を課したとも。
イケメン(毒ヘビ)の恋を妨害する、高梨氏
深夜になって、姿を現したイケメンに対し、政盛は源頼朝から授かった名剣を使って、切りかかったのでした。
しかし、彼の刀はイケメンの衣服の袖(そで)を切っただけで終わってしまいました。
そして、強い風が吹き荒れる真っ黒い雲の闇中に、イケメンの姿を見失ってしまったのでした。
怒った毒ヘビの報復行為により、村は大変なことに
イケメンの正体は、毒ヘビでした。
高梨氏に襲われたことで、毒ヘビは恨みを持ってしまったのでした。
このことにより、それ以来、城下は毎晩のように暴風に見舞われるようになったのでした。
そして、町の人々や百姓たちの間には、「ただごとではない」と不安が広がっていったのでした。
※別バージョンの物語では、高梨氏によって課された試練(「娘の夫として相応しいか」を試すテスト)に、イケメンが怒ってしまったから、ともあります。
その話を耳にした竜王によって、毒ヘビは岩倉池から追い出されてしまいました。
さらに、自身の住みかの岩倉池を奪われた毒ヘビは、
とまで噂されたのでした。
黒姫は、自分の命を犠牲にして、村を救おうとした
毒ヘビが起こした暴風におびえた人々が逃げ出していく中、黒姫は自身を犠牲にしてでも、毒ヘビに襲われている人々を救おうと決心したのでした。
しかし高梨政盛は、最初は黒姫が毒ヘビのもとへ立ち向かうことを、決して許しませんでした。
しかしある晩、夢に出てきた神様から、
と説得されたのでした。
そのため高梨政盛は、泣く泣く、黒姫が城の外へ出ていくことを認めたのでした。
黒姫は、源頼朝が持っていた剣を持っていたのでした。
黒姫のもつ剣で、おじいさんが(黒姫本人が?)毒ヘビを倒した
こうして高梨氏の城から出てきた黒姫は、越後国(新潟県)との境界あたりで、白髪のおじいさん(?)に出会ったのでした。
おじいさんは、
「岩倉池の毒ヘビが、この山にも移り住もうとしている。
だから退治するためには、あなた(黒姫)の持っている名剣が必要だ」
と言いました。
そして、おじいさんは
と告げたのでした。
毒ヘビの最期 黒姫山
そこで黒姫は、おじいさんの言う通りに、剣をおじいさんに渡したのでした。
おじいさんが振りかざした剣によって、毒ヘビは倒れてしまい、岩倉池の水が毒ヘビの血で赤く染まったのでした。
※別バージョンの物語だと、黒姫が自ら剣を持って、毒ヘビに斬りかかった、とも。
すると山の方に、まるで毒ヘビのような「黒い雲」が立ち起こったのでした。
黒い雲の暗闇では雷が起きてしまい、さらには氷が降ってきたのでした。
すると、黒姫の姿は暗闇の中に消えてしまったのでした。
その山は、現在の黒姫山であると伝えられているのです。
※別バージョンの物語では、黒姫と毒ヘビのイケメンは結ばれたとも・・・
おわりに
今回は、黒姫山と黒姫伝説について語ってきました。
もし長野県の旅行で黒姫山の近くへきたときには、黒姫の恋の物語について思い出してもらえれば幸いです!
今回はここまでです。
お疲れ様でした!
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