中央線鉄道唱歌の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
岩殿山の地理・歴史などを、やさしく解説してゆきます!
↓まずは原文から!
岩殿山の古城蹟
主君に叛きし奸黨の
骨また朽ちて風寒し
さらに読みやすく!
岩殿山の 古城蹟
主君に背きし 奸党の
骨また朽ちて 風寒し
さあ、歌ってみよう!
♪いわどのやまのー こじょうせきー
♪しゅくんにそむきし かんとうのー
♪ほねまたくちてー かぜさむしー
高尾駅→相模湖駅→上野原駅→四方津駅→鳥沢駅→猿橋駅→大月駅→初狩駅→笹子駅→(笹子トンネル)→甲斐大和駅→塩山駅→山梨市駅→石和温泉駅→酒折駅→甲府駅
※
大月市の名所・岩殿山
列車は既に、山梨県大月市に到着しています。
今回は大月市の名所である、岩殿山についての話題となります。
東京スカイツリーと同じ高さ(634m)の、岩殿山

岩殿山(山梨県大月市)
岩殿山は、大月駅から北東すぐ(桂川の向こう)にある、標高634mの山です。
標高634mは、なんとあの東京スカイツリーと同じ高さになります。
岩殿山は、大月駅のホームから非常によく見える、駅北東にある、逆おわん型の山です。
ただ東京スカイツリーと同じ高さとはいっても、パッと見は決して「スカイツリーのようなすごい大きさ」というわけではありません。
大月駅の標高がそもそも約360mですから、その上に約270mの山(岩殿山の本体)が乗っかっている、というイメージでよいでしょう(合計で約634m)。
その他の東京スカイツリーと同じ高さの山 新潟県・弥彦山
また、他に東京スカイツリーと同じ高さの山として、新潟県弥彦村の、弥彦山があります。

岩殿山と同じ高さの、標高634mの弥彦山(新潟県)
弥彦山の麓には、弥彦神社という神社があります。
弥彦神社では、天香山命という神様が祀られています。
つまり、神話の時代(古事記や日本書紀などの日本神話に登場する神様たちが日本にいた時代)に、天香山命は越後国(現在の新潟県)に降り立ったのでした。
そして、人々に農耕や釣りを教えて、畑を耕し、これによって新潟県の基礎が出来上がったとされています。
だから「越後国の神様」なのですね。
弥彦山と弥彦神社については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

歌詞「甘党」とは?主君・武田勝頼を裏切った、小山田信茂
甘党とは、いわば「ろくでなし」「裏切り者」のことです。
ここでは、かつての武田勝頼の部下だった、小山田信茂のことをいいます。
主君とは、ここでは武田勝頼のことをいいます。
武田勝頼は、山梨県の歴史上の偉大な人物である武田信玄の子になります。
また、武田勝頼は1575年の「長篠の戦い」で、織田信長の鉄砲隊に敗れたことでも知られます。
長篠の戦いについては、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

長篠での敗北 一気に衰退する武田勝頼
「長篠の戦い」で織田信長に大敗した勝頼は、その後急速に衰えてゆきます。
味方にはどんどん裏切られ、地元の甲斐国の民衆に対しても重い増税を課していたのでした。
そのため、民衆の気持ちも勝頼からは次々に離れてゆくことになりました。
西から甲斐国(山梨県)へ迫ってくる織田軍と、逃げ惑う勝頼
そして織田信長は武田勝頼を殲滅するため、尾張(愛知県)から木曽路と諏訪湖を通って、山梨県方面へ攻め入ります。
勝頼は、甲府の西から追ってくる織田軍を防ぎきれず、甲府を捨てて、ひたすら東へと逃げ回るようになります。
岩殿山へたどり着いた勝頼 部下に裏切られる
そして西から追ってくる織田軍から逃げるため、甲府の東にあたるここ大月の岩殿山にいる部下だった小和田信茂にかくまってもらおうとします。
しかしここで、小和田信茂にすらも裏切られます。
逃げ場を失った勝頼 天目山にて自害
仕方なく岩殿山に逃げ込むのは諦めて、勝頼は岩殿山の西にある、少し手前の「天目山」へと逃げ込みます。
しかしここで織田軍の追っ手に捕まり、武田勝頼は天目山にて、無念にも自害を遂げています。
なので天目山のある甲斐大和駅のある辺りは、「武田氏終焉の地」とされています。
甲斐大和駅と天目山について詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

次回は初狩・笹子・甲府方面へ
大月駅を出ると、次は甲府方面へ向かいます。
次は、初狩駅・笹子駅に止まります!
コメント