鉄道唱歌 関西編 第50番 和歌山に到着! 紀ノ川口の、南海一の街 そして日前神宮・國懸神宮 

まずは原文から!

紀の川口(きのかわぐち)の和歌山(わかやま)は
南海一(なんかいいち)の都會(とかい)にて
宮は日前(ひのくま)國懸(くにがかす)
旅の心の名草山(なぐさやま)

さらに読みやすく!

紀の川口(きのかわぐち)の和歌山(わかやま)は
南海一(なんかいいち)の都会(とかい)にて
宮は日前(ひのくま)国懸(くにがかす)
旅の心の名草山(なぐさやま)

さあ、歌ってみよう!

♪きのかわぐーちの わかやまはー
♪なんかいいちのー とかいにてー
♪みーやはひのくま くにがかすー
♪たーびのこころの なぐさやまー

※正式名称は「鉄道唱歌 関西・参宮・南海編」です。記事タイトルの便宜上、このようなタイトル(関西編)とさせていただいております。ご了承ください。

列車は既に、和歌山駅(わかやまえき、和歌山県和歌山市)に到着しています。

かつての和歌山駅は、明治時代の開業時(1898年)は現代の紀和駅(きわえき、和歌山県和歌山市中之島)でした。
現代では田井ノ瀬駅(たいのせえき、和歌山県和歌山市岩橋)を過ぎると左へ大きくカーブして和歌山駅となるわけですが、当時はカーブせず真っ直ぐ紀和駅(きわえき)方向に進んでいたのでした。

「▽」という文字で例えると、左上が「紀和駅」、右上が「田井ノ瀬駅」、下が現代の「和歌山駅(当初は「東和歌山駅」)」です。
さらに、「田井ノ瀬駅」と「紀和駅」を横に結ぶ線路は、現代では廃止されています(跡形も残っていません)。

先ほどの「▽」に例えると、現代では左斜め線の「紀勢本線」、そして右斜め線の「和歌山線」のみ現存しています。
なので今の線路は「V」の字です。

現代の和歌山駅は、1924年に出来た(鉄道の歴史では)比較的新しい駅で、開業当初は「東和歌山駅」という名前でした。

和歌山駅(和歌山県和歌山市)

和歌山県和歌山市(わかやまし)は、和歌山県の県庁所在地であり、また最大の都市になります。人口は約36万人です。

和歌山市は、歌詞にあるように紀ノ川(きのかわ)という大きな川のほとりにあります。
大きな川の下流部には平野ができるため、この平野に市街地が並ぶというイメージになります。
紀ノ川は、奈良県では吉野川(よしのがわ)と呼び方が変わります。

昔は、江戸時代以前は紀ノ川を下って運ばれてきた吉野のスギなどの木材は、一旦和歌山に集められ、和歌山からさらに舟で大坂まで運ばれていたのでした。
和歌山湾から海を伝い、やがて大阪の街にスギを供給していたわけです。
そのスギは、大坂の町の木造家屋に使われることになります。

しかし、当時の木造家屋は火災が多かったでしょうから、その都度建物を作り直すのにたくさんの木材が必要だったことでしょう。

和歌山には、日前神社(ひのくまじんじゃ)と国懸神社(くにがかすじんじゃ)があります。両社は紀伊国(きいのくに)の一宮(いちのみや)になります。

日前神社は、旧社格は「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」であり、しかも日本で最も格式高いと言われる「伊勢神宮」と同じくらいの社格とされています。
官幣大社(かんぺいたいしゃ)」とは、明治時代の神社のランク付けであり、最も格式の高い部類の神社になります。明治時代は欧米列強に勝つべく、国をまとめるのに「国家神道(こっかしんとう)」を推し進めていたため、天皇により近くゆかりある神社を高い格式にしていたのでした。

伊勢神宮は、官幣大社よりもさらに上のランクり、社格すらついていません。それくらい重要な神宮です。
その伊勢神宮と同等の扱いなのですから、日前神社はそれだけ重要視された神社ともいえます。
伊勢神宮も日前神社も、祀(まつ)られている神様は天照大神(アマテラスオオカミ)という、天皇の祖先にあたる女性の神様です。
日前大神(ひのくまのおおかみ)は、天照大神の別名ともされています(諸説あり)。

日前神宮・國懸神宮は、戦国時代の豊臣秀吉の全国統一と紀州征伐のために、一時期境内は乗っ取られてしまい、没収されてしまいました。
しかし、江戸時代・明治時代に荒廃した境内は再建されてゆきます。
大正時代には政府によって補助金を出して再建されてゆきました。

また、和歌山市のやや南東・日前神社のやや南には、名草山(なくさやま)と言う標高229mの山があります。
名草山の中腹には、紀三井寺(きみいでら)というお寺があります。

紀三井寺(きみいでら)は名草山の中腹(ちゅうふく。山の斜面の途中)にあるので、ふもとの和歌浦(わかのうら)という美しい海の眺めを眺めることができます。天気が良ければ淡路島四国まで眺められるそうです。
その景色は、とても長い砂州(さす)を引くので、まるで京都の日本海側にある日本三景・天橋立(あまのはしだて)のようです。

次は、紀三井寺(きみいでら)の話題となります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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