【西九州新幹線の歴史】わかりやすく解説!

西九州新幹線について、なぜ2022年までかかったのか、フリーゲージトレインは断念したのか、これまでの歩みをわかりやすく解説します!

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西九州新幹線・武雄温泉駅〜嬉野温泉駅間の景色(佐賀県)

西九州新幹線・武雄温泉駅〜嬉野温泉駅間の景色(佐賀県)

  1. 西九州新幹線とは
      1. N700Sが西九州新幹線でも使われている理由
      2. 余談:N700Sが北陸新幹線で使われない理由
      3. N700S以外で、西九州新幹線に特化した車両は不要だった?
    1. 西九州新幹線 ​どことどこを結んでいるか
      1. ​駅のリニューアルについて
  2. 西九州新幹線の歴史
    1. ​西九州新幹線のあゆみ
      1. ​計画の始まり(1970年代)
      2. 新幹線の整備計画とは
      3. 当初は東海道新幹線ですら、反対意見があった
      4. 国の予算を使った新幹線の建設が全国的に
        1. ​選ばれた5つの路線
      5. ​「全国新幹線鉄道整備法」という法律
      6. 整備新幹線に指定されるメリット:国から補助金がおりる
      7. 1973年のオイルショックにより価格は高騰 計画は頓挫を余儀なくされる
      8. ​オイルショックなどの影響で、工事はなかなか始まらない理由
      9. ​石油の値段が上がると、新幹線の建設まで不能に陥る理由
    2. 西九州新幹線が2022年に再度着手した理由
    3. フリーゲージトレインの導入断念(西九州新幹線)
      1. ​レール幅(軌間)の決定的な違い
      2. ​FGTの断念と「リレー方式」での開業(2010年代〜現在)
      3. フリーゲージトレインのコストが高すぎる理由
      4. フリーゲージトレインが故障がちで安定しない理由
      5. フリーゲージトレインが重くなりすぎる理由
      6. 断念→リレー方式の採用
      7. 便利なリレー方式の仕組み
    4. 西九州新幹線:​歴史の主なトピック
    5. ​佐賀県が反対する理由(西九州新幹線)
      1. ​三セクになると運賃が上がる理由
      2. 特急収入がなくなるデメリットと運賃
      3. 佐賀県と国が話し合っている案
    6. ​ミニ新幹線方式では無理だったのか
    7. 山形・秋田新幹線がミニ新幹線で実現できた理由
      1. 「乗り換えなし」を一番に考えたから
      2. 工事中の「代わりの道」があったから
      3. 当時は「フリーゲージトレイン」がなかった
      4. ​西九州新幹線で難しかった理由
    8. ​西九州新幹線の経済効果
      1. 「ストロー効果」の懸念
  3. おわりに・まとめ

西九州新幹線とは

西九州新幹線は、​最新のN700Sという車両で、真っ白な車体に赤いラインが特徴的な、とってもおしゃれな列車です。
すなわち、九州の西側を駆け抜ける、みんなの期待を背負った「かもめ」号のことというわけですよ!

​N700S:JR東海が開発した最新型の新幹線車両のことで、「S」は最高を意味する「Supreme(スプリーム)」の頭文字です。

N700Sが西九州新幹線でも使われている理由

では、東海道・山陽新幹線でもおなじみのN700Sが西九州新幹線でも使われている理由とは、どのようなものでしょうか。

それは、​N700Sは、短い編成でも効率よく走れるように設計された「万能な最新モデル」だからということになります。
すなわち、東海道新幹線のような長い列車だけでなく、西九州新幹線のような短い列車にもピッタリな性能を持っているわけですよ!

余談:N700Sが北陸新幹線で使われない理由

ここは完全に余談です。理解できなくていいので、読み飛ばしてください

逆に、北陸新幹線N700Sが使われない理由について、

  • N700系Sは、交流60hz区間(つまり西日本)のみ対応している→富士川以東では50hzを60hzに変換している→詳しくはこちら(当サイト)で解説
  • 北陸新幹線は50hzと60hzがそれぞれ混じる区間がある(上越妙高糸魚川付近)新潟県は東北電力の管轄であり、交流50hzであるため。
  • 北陸新幹線の車両は車内に高性能の周波数切替装置を搭載しているが、N700Sにはそれがない。

N700S以外で、西九州新幹線に特化した車両は不要だった?

では、N700S以外で、西九州新幹線のみに特化した車両は不要だったのでしょうか。

それは、専用の車両を新しく作るよりも、すでに実績のある最新型をベースにする方が、開発費が抑えられて安全だからです。

すなわち、信頼性の高いN700Sを「西九州専用のデザイン」にカスタマイズすることで、最高の列車を賢く用意したわけですよ!

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西九州新幹線 ​どことどこを結んでいるか

現在は、

  • 長崎県の長崎駅ながさきえき(長崎県長崎市)
  • 佐賀県の武雄温泉駅たけおおんせんえき(佐賀県武雄市)

までの、合計約66キロメートルを結んでいます。

西九州新幹線・諫早駅(長崎県諫早市)

西九州新幹線・諫早駅(長崎県諫早市)

博多方面から行く場合は、武雄温泉駅で特急列車から対面ホームでリレー方式で乗り換える形になりますね!
特急列車を降りるとすぐ向かい側のホームに新幹線がスタンバイしてるような感じなので非常にスムーズに乗り換えが可能となっています。

佐世保線・武雄温泉駅(佐賀県武雄市)

​駅のリニューアルについて

長崎駅をはじめ、多くの駅がピカピカに生まれ変わって、街の雰囲気もガラッと明るくなりました。

駅舎が新しくなると、街全体が活気づいて、これからの発展がますます楽しみになりますよね!

西九州新幹線の歴史

西九州新幹線はまだ​2022年に開業したばかりの新しい路線ですが、実は計画から実現までには、実に50年もの長い年月がかかっているという何とも切ない(けど様々な複雑な)実情があります。

その計画から開通までの道のりは、まさに長く険しい「波瀾万丈」と言えるものでした。

​西九州新幹線のあゆみ

​計画の始まり(1970年代)

西九州新幹線のすべては1973年(昭和48年)に国によって決められた「整備計画」から始まったのでした。

当時は「九州新幹線西九州ルート)」と呼ばれており、福岡市から長崎市までをそれぞれ結ぶという、何とも夢の計画としてスタートしたというわけです。
九州の主要都市同士をそれぞれ結ぶわけですから、それはもうこの計画にはワクワクしないわけがないでしょう。

新幹線の整備計画とは

ちなみに​整備計画せいびけいかくとは、​国が予算・税金をかけて「ここに新幹線を作ろう!」と正式に決めた「未来の設計図」のことです。
これは1964年の東海道新幹線が大バズリして毎日のように満員御礼・満席御礼の大反響だったことで、「このまま全国にも新幹線を広げていこう」という機運が高まったのでした。

当初は東海道新幹線ですら、反対意見があった

実は東海道新幹線の1964年の開業前は、「そんなものは税金の無駄遣いだ」という具合に、かなり反論懐疑的な意見もあったのでした。

東海道新幹線開業前によくあった批判の例は、以下のようなものです。

  • 「税金の無駄遣いだ」
  • 「時速200kmで走るなんて危険だ」
  • 「これからの時代は自動車航空機の時代であり、新幹線が完成する頃には、鉄道はもはやオワコンになっている」
  • 「そんな高い運賃を払ってまで、誰も乗らない」

うーん、かなり辛辣しんらつな意見があったわけですね。
今の新幹線の繁栄ぶりからは想像つかないくらい、かなりボロクソに言われていたわけですね。

国の予算を使った新幹線の建設が全国的に

そんな中で、国によって(国の予算を使って)全国に新幹線を作っていこうという法律が決まったのでした。

これは1970年に国によって決められた法律に基づいて、新幹線の建設が進められるという重要な計画であり、西九州ルートもその一つとして選ばれました。

​選ばれた5つの路線
  • 北海道新幹線
  • 東北新幹線(盛岡〜青森)
  • 北陸新幹線
  • 九州新幹線(鹿児島ルート)
  • 九州新幹線西九州ルート:長崎ルート)

​「全国新幹線鉄道整備法」という法律

​これらは単なるアイデアではなく、1970年に国によって施行された全国新幹線鉄道整備法という法律に基づいています。
つまり、単なる夢物語とかではなく、国の正式なルールや方針として「作ることが」決まっているというわけですね。

すなわち、この法律があることで、国が主導して「ここに新幹線を作ろう!」という計画を公式に決めることができるというわけです。

整備新幹線に指定されるメリット:国から補助金がおりる

ちなみにこの整備新幹線に指定されれば国から補助金がおりるため、地域や自治体だけの負担で建設しなくていいというメリットもあります。

逆に言えば、整備新幹線に認定されないと国からの建設費の補助金がおりず、各地域は自費で賄っていかないといけないことになります。

1973年のオイルショックにより価格は高騰 計画は頓挫を余儀なくされる

しかし、1973年頃に起きたオイルショックなどの影響で、原油をはじめとするあらゆる材料などの物価が上がってしまいました。

これによって何も買うにも物価が上がってしまって人々の財布のひもは固くなり、経済は一時的に滞ってしまいました。
そして、鉄道業界もその煽りを受けることとなり、材料の調達や人件費すらままならず、西九州新幹線の工事はなかなか始まりませんでした。

​オイルショックなどの影響で、工事はなかなか始まらない理由

このように、オイルショックの影響で​物価が急激に上がってしまうと、材料費をはじめ、あらゆるものの物価が上がってしまうことになります。
そのため、国の予算を建設に回す余裕がなくなってしまったことから、西九州新幹線の建設は遅れてしまったわけです。

オイルショック:1970年代に石油の価格が急騰してしまい、世界中でトイレットペーパーの買い占めが起きるなど、経済が大混乱した出来事のことです。

したがって、当時の日本はは新幹線どころではない」という厳しい状況になり、この西九州新幹線という夢のような計画は、かなりの長い間ストップしてしまいました。

​石油の値段が上がると、新幹線の建設まで不能に陥る理由

ちなみに、先ほどもちょっと説明した石油の値段が上がると新幹線の建設までもが不能に陥ってしまう理由について、改めて確認してみましょう。

それは、もし​石油の値段が上がっ言ってしまうと、工事に使う資材や機械を動かすための燃料など、すべての物価がドカンと上がってしまうからです。

資材しざい建物線路を作るために必要な、コンクリート砂利じゃりなどの材料のことです。

  1. 石油の値段が上がると、まず運送費(ガソリン代など)が上がります。
  2. 運送費が上がると、材料を仕入れてくる時の値段も上がってしまいます。
  3. 電気石油を燃やしてからから作られるため(あくまで火力発電の場合)、電気代も上がってしまいます。
  4. 電車は電気で走るため、電車代もはね上がってしまいます。
  5. こうしたあらゆる事情から、電車を走らせることも直すことも、また新しく建設することも非常に難しくなってしまった

というわけです。

このような状況に陥ってしまうと、当初に計画されていた予算では到底足りなくなってしまっていたのでした。
やがて、国全体が不景気になってしまったことで、西九州新幹線の夢は「今は無理だね」と行った具合に、一度はもはや諦めるしかありませんでした

西九州新幹線が2022年に再度着手した理由

そうして長らく停止していた西九州新幹線の計画が、2022年に再度着手した理由は、

  1. 主にフリーゲージトレインが重すぎ・複雑すぎて、危険だったためこれを断念し、
  2. リレー方式にすることで決着がついたから

ということになります。

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フリーゲージトレインの導入断念(西九州新幹線)

西九州新幹線では普通の線路と新幹線のそれぞれの線路の両方を走れるという「フリーゲージトレイン(FGT)」の導入が期待されていました。

フリーゲージトレイン(FGT):車輪の幅を自由に変えられる特殊な列車のことです。
在来線新幹線の区間を乗り換えなしで行き来できるという、まさに「魔法の電車」として期待されていました。

新幹線はメールの幅が広い標準軌で、在来線はレールの幅が狭い狭軌のレールになってます。
なので、そのまま新幹線が在来線の区間に乗り入れることはできないわけですね。

​レール幅(軌間)の決定的な違い

​レールの間隔が全く違います。

  • 新幹線標準軌:1,435mm):世界のあらゆる地域で採用される標準の幅です。
    レール幅が広いと、高速で走っても車両が左右に揺れにくく、非常に安定します。
    新幹線では時速200km以上で安全に走るために、この幅が選ばれたのでした。
  • 在来線狭軌:1,067mm):明治時代に導入されたかなり日本特有の幅です。
    ​幅が狭い分、カーブを急にできたり、トンネルを小さくできたりするため、山がちな日本の地形には建設しやすかったというわけですね。

​FGTの断念と「リレー方式」での開業(2010年代〜現在)

​しかし、このフリーゲージトレインという「魔法の電車」の開発は難航してしまいました。

というのも、

  1. フリーゲージのための重たい装置を搭載することで、
  2. 車体が重くなりすぎ故障が相次ぎ、
  3. 線路にも重い負担がかかり傷めやすく、
  4. しかも導入やメンテナンスのためのコストも高すぎることから、
  5. 2018年にはついに導入が断念されてしまった

という経緯があるわけです。

フリーゲージトレインのコストが高すぎる理由

ちなみに、フリーゲージトレインのコストが高すぎる理由は、例えば​車輪の幅を変えるための複雑で重たい部品が、たくさん必要だったからです。これだと線路を傷めやすくなります。
そのためフリーゲージトレインでは、普通の車両よりも作るお金がかさむというだけでなく、メンテナンス費用も跳ね上がってしまうのが大きな悩みでした。

メンテナンス:機械や建物が壊れないように、定期的に点検したり修理したりして、良い状態を保つお手入れのことです。

フリーゲージトレインが故障がちで安定しない理由

また、​フリーゲージトレイン故障がちで安定しない理由は、

  1. (高速で走りながら)重い車体を支えるための車軸しゃじくに対して、
  2. あの車軸に対して大きな負担がかかって、傷がつきやすかったから

になります。これがフリーゲージトレインを導入しにくかった理由です。

車軸しゃじく:​列車の左右にある車輪をつないでいる、とても太くて頑丈な「鉄の棒」のことです。
いわば列車の「足腰」を支える重要なパーツで、ここが壊れると大きな事故につながるため、最高の強度が求められます。

新幹線は安全が第一ですから、もし何度も試験を重ねても「絶対に大丈夫!」という確信が持てなかったというのは残念ですね。

フリーゲージトレインが重くなりすぎる理由

ではなぜ、フリーゲージトレインだと車体が重くなりすぎるのか。
それは、​車輪の幅を変えるための特殊なモーター複雑な部品を車体にたくさん詰め込む必要があったからです。

したがって、もしフリーゲージトレインの方式にした場合、普通の車両よりも重くなってしまい、その重さによって線路や橋を傷めてしまうという、新たな問題が生まれてしまいました。

断念→リレー方式の採用

こうしてフリーゲージトレイン方式を諦めて断念した結果、武雄温泉駅新幹線と特急をそれぞれ乗り換える「リレー方式」が採用されることになりました。

そして、まずは長崎から武雄温泉までを先行して開業させることになりました。

便利なリレー方式の仕組み

リレー方式においては、新幹線を降りるとすぐ向かい側の同じホームで特急列車がスタンバイしています。
また、同様に武雄温泉駅で特急列車を降りるとすぐ同じホームの向かい側に新幹線がスタンバイしているため、階段を渡って向こう側のホームに行く必要がなくなるというメリットがあります。

つまり、このようにリレー方式においてもスムーズに乗り換えができる方式であることには変わりないので、これはこれで便利な方式であるというわけです。

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西九州新幹線:​歴史の主なトピック

  • ​2008年:武雄温泉〜諫早間でついに工事がスタート!
  • ​2022年9月23日:西九州新幹線武雄温泉〜長崎)が待望の開業。

一番列車の切符は、わずか10秒で売り切れるほどの人気でした!

​ちなみに現在では、新鳥栖から武雄温泉までの区間をどうやって作るかについて、国と佐賀県の間で話し合いが続いています。

​佐賀県が反対する理由(西九州新幹線)

また、佐賀県が西九州新幹線に反対する理由は、​巨額の建設費を負担することや、並行在来線が「第三セクター」になってしまうことによって、運賃が跳ね上がってしまい、地域住民の皆さんの大きな負担になってしまうことを心配しているからです。

佐賀県にとっては、むしろ今のままでも十分便利だという思いもあり、負担とメリットのバランスが難しい問題ですね!

​第三セクター(三セク):国や自治体(=第一セクター)と、民間企業(=第二セクター)が共同で出資して作る団体のことです。
鉄道の場合は、赤字路線の維持のために設立されることが多いです。

​三セクになると運賃が上がる理由

第三セクター線(三セク)になると、​JRのような大きな会社とは違い、小さな会社として自立して運営していくために、たくさんのお金が必要になるからです。

例えば、三セクにならずにJR線のままであれば、例えば都市圏などの儲かっている路線や他の儲かっている事業などから、ある程度は経費を補填することもできます。
しかし、第三セクターになると、あくまで自分たちの自費だけで運営費用をまかなわないといけないわけです。

したがって、もし線路を守るための費用を賄おうとすると、どうしても切符の値段を上げざるを得ないのが現実というわけですね。

特急収入がなくなるデメリットと運賃

また、​これまでJRが稼いでいた特急列車の貴重な特急料金収入が、三セク会社になった場合にはもはや入ってこなくなるため、経営がとても厳しくなります。

したがって、線路維持するお金を確保するために、どうしても運賃を高く設定せざるを得ない、という悲しい側面があるわけです。

佐賀県と国が話し合っている案

​現在は

  • フル規格」での整備を求める国と、
  • 現状維持を望む佐賀県

の間で、複数のルート案が話し合われています。
すなわち、お互いが納得できる「着地点」を見つけるために、粘り強い対話が今も続いているところというわけです!

​ミニ新幹線方式では無理だったのか

またもしミニ新幹線方式を採用した場合、在来線の線路を広げるための工事の間は、列車を長期間止めなければいけないという大きな壁がありました。

​ミニ新幹線在来線の線路のレールの幅を新幹線と同じ幅に広げて、新幹線の車両がそのまま乗り入れられるようにした方式のことです。

また、踏切があるためスピードを出しにくいとい欠点もあり、最高速度を重視する今回の(西九州新幹線という)計画には合わなかったわけですね!

山形・秋田新幹線がミニ新幹線で実現できた理由

「乗り換えなし」を一番に考えたから

山形秋田の人たちは、何よりも

  • 東京まで乗り換えなしで行けること」

を強く望んでいました。

したがって、スピードが少し遅くても、荷物を持って移動する手間がなくなるというメリットの方が大きかったわけですね!
また、国からの補助金がおりるのを待たなくても、(建設主体である)JR東日本は首都圏という非常に潤沢な資金源を持っているため、そこから新幹線の建設費用を補填できたわけです。

工事中の「代わりの道」があったから

ちなみに、​山形新幹線の工事のときは、元々近くを走っている別の路線である仙山線せんざんせんなどのバックアップ迂回ルートを使って、奥羽本線おううほんせん福島から山形までの区間の工事中も列車の運行を妨げずに、工事を続けることができました。

仙山線せんざんせん:宮城県の仙台駅と山形県の山形駅を結ぶJR東日本の路線のことです。

すなわち、長期間の運休を避けるための「逃げ道」があったことが、成功の大きなポイントだったわけですよ!

当時は「フリーゲージトレイン」がなかった

では、山形新幹線においてフリーゲージトレインを採用する構想はなかったのでしょうか。

そもそも、山形新幹線が計画された頃は、まだ「フリーゲージトレイン」という選択肢自体がありませんでした

したがって、山形新幹線の時は、あくまでも地域にマッチした現実的な方法としてミニ新幹線が選ばれました。
しかしながら、西九州新幹線のときはフリーゲージトレインの方式に期待しすぎて、結果的に決断が遅れてしまったという背景もありますね。

​西九州新幹線で難しかった理由

西九州新幹線(佐賀県内)の場合は、もしミニ新幹線方式にするために線路の幅を広げる工事のために線路や列車の運行そのものを止めると、通勤通学に使うたくさんの人が困ってしまうという問題がありました。

しかし山形新幹線の場合は、先ほどもう少し述べたように仙山線という別の迂回ルートがあったため、この問題はそこまで大きくはなりませんでした。

また、博多から長崎という短い距離では、わざわざミニ新幹線方式フリーゲージトレイン方式を採用して遅いスピードでデビューしてしまうと、結局は特急列車のスピードとほぼほとんど変わらないことになります。
そうなると、新幹線の良さが消えてしまう・生かせないという懸念もあったわけです。

​本当に、地域ごとに抱える事情が違っていて、鉄道の計画は奥が深いなと改めて感じますね!

​西九州新幹線の経済効果

ちなみに、すでに武雄温泉駅たけおおんせんえきから長崎駅の間で開業をしている西九州新幹線の経済効果としては、

  1. 観光客が大幅に増えて、
  2. 駅ビルの売り上げやホテルの稼働率が上がる

など、長崎市には大きなプラスが出ています!

このように西九州新幹線ができたことによって街が賑わう様子を見ると、やはり新幹線がもたらすパワーはすごいな、と私もうれしく感じます。

「ストロー効果」の懸念

ちなみにストロー効果による懸念点というものはどういうことかというと、例えば

  1. ​便利な新幹線ができることで、
  2. 逆に地域の人が大都市福岡など)へ買い物に行ってしまう

という心配のことです。

​ストロー効果:まるでコップの中の飲み物をストローで吸い上げるように、交通が便利になったことで、地方の富や人口が大都市吸い寄せられてしまう現象のことです。

すなわち、地元のお金が外に吸い出されないよう長崎ならではの魅力を磨き続けることが、とても大切になりますね!

おわりに・まとめ

筆者、西九州新幹線より

​いかがでしたか?

お金の問題工事の難しさなど、新幹線を作るのって、本当に大変な決断の連続なんだなと感じますね。

​50年も前から計画されていたなんて、本当に歴史の重みを感じますね!
今はまだ「離れ小島」のような短い区間ですが、真っ白な車体の「かもめ」が走る姿はとても格好いいです。

今後西九州新幹線に乗られる時は、こうした歴史の重みをかみしめながら乗ってみると、また違った旅の趣が出てくるかもしれませんね。

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