日本神話に登場する謎多き女神である菊理媛神(ククリヒメ)について、わかりやすく徹底解説してゆきます!

ククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
イザナギとイザナミを仲裁した復縁・縁結びの由来や、白山比咩神社との深い関係を紐解きます。
謎多き女神「菊理媛神(ククリヒメ)」
縁結びと仲裁・神秘の女神・ククリヒメ

白山連峰(現在の石川県)とククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
菊理媛神は、日本神話に登場する女神です。
『日本書紀』の注釈に一度だけ登場する、謎多き神様ですね!
専門用語のやさしい解説(日本書紀とは?など)
- 日本神話:『古事記』や『日本書紀』に記されている、日本の国土の誕生のことについてや、また様々な神々の物語のことです。
- 古事記と日本書紀の違い:『古事記』はあくまで、国内向けに物語としてわかりやすくまとめられた歴史書です。
一方の『日本書紀』は、例えば外国など、対外的に国の正統性を示すために編纂された、公式の記録です。
そのため、編纂の目的や伝承の採り上げ方の違いから、両者には登場する神様やストーリー展開にいくつかの違いが存在しています。
ククリヒメ、神話での主な役割:黄泉の国での仲裁
かつて日本神話の中のストーリーにおいて、
- 日本という国を作ったとされる神様の夫婦である伊奘諾尊(イザナギ)と、伊奘冊尊(イザナミ)が夫婦喧嘩をしたときに、
- ククリヒメはその間に入って、二人(正確には二柱)の仲直りをさせた
ということで知られます。

イザナミ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
専門用語のやさしい解説(イザナギ・イザナミとは?など)
- イザナギ:日本の島々や多くの神々を生み出した、現在の天皇陛下をはじめとする皇室のはるか遠い祖先(つまり、天照大御神の父)にあたり、日本神話の父ともいえる男神のことです。
- イザナミ:イザナギとともに国生みや神生みを行った、日本神話の母ともいえる女神のことです。
- 黄泉の国:死者が行くと言われている、いわば「あの世」のことです。

イザナミ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
黄泉比良坂でのイザナギ夫婦の対立と、ククリヒメの仲裁
黄泉の国からの逃走と、夫婦の決裂
イザナギが、かつて亡くなった妻(イザナミ)を連れ戻そうと黄泉の国を訪れたときに、すっかり変わり果てた妻の姿や劣化ぶりに驚いてしまい、なんとこともあろうに元妻から逃げ出してしまいました。
そのとき、激怒したイザナミと現世(この世)との境目である黄泉比良坂で、なんと大喧嘩になりました。
黄泉比良坂:あの世(黄泉の国)とこの世(現世)の境界にあるとされる坂のことです。
現在の島根県松江市東出雲町に、その伝承地となる場所が残されています。
島根の境界に現れた白山の女神

ククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
ここで、この神話のストーリーの舞台として、まさにこの境界の地(現在の島根県の伝承地にあたる場所)に、ククリヒメが現れたと伝えられています。
石川県・白山の神様なのに、島根県の神話に登場するのは一見不思議に思えますよね。
これは、日本神話に登場する女神・ククリヒメと、古代から元々北陸で信仰されていた白山の山の神(白山比咩大神)が、後世の歴史の中で結びつき、同一視されるようになったためなのです。
まぁ出雲の神様・大国主命も、越後(新潟県糸魚川市)の女神であるヌナカワヒメと結婚するために遠い場所へ遠征してきたこともあるくらいなので、この辺りはあまり深入りしないようにしておきましょう。(^_^;
決裂の瞬間に語りかけた魔法の言葉
そのイザナギ夫婦の決定的な決裂の瞬間に現れたククリヒメが、何かを語りかけました。
※ただし何を話しかけたのかに関しては、日本書紀には具体的な言葉は記されていません。
きっと、二神を仲直りさせるような魔法の言葉を話しかけたのでしょう。
ククリヒメに「何か(きっと仲直りさせるに違いない)魔法の言葉」を話しかけられたイザナギは、その言葉の的確さに深く感服して、ククリヒメのことを褒めたたえました。
争いの収束と、イザナギの帰還
そして、イザナギ夫婦はその場での激しい争いを収めて仲直りを果たし、無事に現世へと戻ることができたのでした。
一方、既に亡くなっている元妻のイザナミは現世には戻ることなく、そのまま黄泉の国の主となりました。
「縁結びの神」としてのククリヒメ

ククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
このようにして、ククリヒメは夫婦喧嘩して対立する二神をなだめたことから、復縁や縁結びの神様として広く信仰されています。
白山比咩神社のご祭神としてのククリヒメ

白山連峰(現在の北陸地方)(画像はあくまでAIによるイメージです。実物・実際の景色ではありませんので、ご了承ください。)
全国にある白山神社の総本社である、白山比咩神社(石川県)にお祀りされています。
専門用語のやさしい解説(白山神社とは?など)
- 白山神社:石川県をはじめとする北陸地方にまたがる山々である霊峰・白山をご神体として崇める「白山信仰」に基づき、全国に約3,000社近く鎮座する神社のことです。
- 総本社:全国に数多くある同じ信仰の神社(分社)の中で、最も中心となる本元の神社のことです。
- 白山比咩神社:石川県白山市に位置し、全国の白山神社の総本宮として、菊理媛神(白山比咩大神)をお祀りする、格式高い神社です。
- 石川県白山市:石川県の(金沢市にも比較的近い)南西部に位置し、霊峰・白山を擁する自然豊かな市のことです。
古くから白山信仰の中心地として栄えてきました。

白山連峰(画像はあくまでAIによるイメージです。)
「白山比咩大神」と菊理媛神の同一視
ちなみに、ここで
- もともと、白山の山そのものを神格化した山の神(白山比咩大神)
- 日本神話で、和解と調和をもたらした菊理媛神(ククリヒメ)
は、それぞれ歴史のなかで同じ神様として結びつけられ、同一視されるようになりました。

白山連峰とククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
「ククリ」の名前に秘められた意味
ちなみに、ククリヒメの名前の「ククリ」は、
- 糸をくくるように「縁を括る」という意味や、
- 「聞き聞き(聞き届ける)」という意味
に、それぞれ由来すると言われています。
霊峰・白山をご神体とする白山信仰

白山連峰とククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
ちなみに先ほども少し述べましたが、ククリヒメは「加賀の霊峰である白山そのものを神格化した存在」としても尊ばれているんですよ!
専門用語のやさしい解説(白山とは?など)
- 加賀:かつての日本の地方区分(令制国)のひとつで、現在の石川県南部にあたる地域のことです。
逆に、石川県北部のことは能登といいます。 - 霊峰:古くから神仏(つまり、神様や仏様のことをまとめた表現)が宿る山として、人々に崇められてきた山々です。
また、その信仰の対象となってきた、神聖で尊い山のことです。
あの富士山も、古来より「霊峰」として信仰されてきました。 - 白山:石川・福井・岐阜の県境にまたがる日本三名山(日本三霊山)のひとつで、豊かな水源と美しさで名高い名峰です。

白山連峰(画像はあくまでAIによるイメージです。)
白山の恵みを運ぶ「手取川」とククリヒメの繋がり
白山の雪解け水を集めて日本海へと注ぐ手取川は、加賀平野を潤す、命の水源です。
すなわち、白山の神であるククリヒメは、この手取川を通じて人々に豊かな水と実りをもたらす「生命の母」としても、古来より深く崇められてきたというわけですね!
豊かな恵みをもたらす「水と生命」の神

ククリヒメ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
また、ククリヒメは水や生命を司る神様としても、古くから人々を優しく見守り続けていますね。
これはまさに、霊峰・白山から流れ出る手取川の清らかな水が、人々の生活と農業を支え、命を育んできたことと深く結びついているというわけです。
おわりに・まとめ
今回は、かつて黄泉の国でイザナギとイザナミの仲を取り持った仲裁と縁結びの神・菊理媛神(ククリヒメ)をご紹介しました!
『日本書紀』にわずか一度しか登場しないにもかかわらず、その存在感とご神徳は絶大で、現代でも復縁や良縁祈願の神様として全国で厚く信仰されています。
石川県の白山比咩神社をはじめ、お近くの白山神社を訪れる際は、ぜひ縁を結ぶ力強いご神徳を感じてみてくださいね!
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