鉄道唱歌 奥州・磐城編 第50番 いわき湯本温泉と小名浜港、そして磐城炭鉱の歴史

まずは原文から!

綴(つづら)湯本(ゆもと)をあとにして
ゆくや泉(いずみ)の驛(えき)の傍(そば) 
しるべの札(ふだ)の文字みれば
小名濱(こなはま/おなはま)までは道一里(みちいちり)

さらに読みやすく!

綴(つづら)湯本(ゆもと)をあとにして
ゆく(行く)や泉(いずみ)の駅の傍(そば)
しるべ(標)の札(ふだ)の文字みれば
小名浜(こなはま/おなはま)までは道一里(みちいちり)

さあ、歌ってみよう!

♪つーづらゆもとを あとにしてー
♪ゆーくやいずみの えきのそばー
♪しるべのふーだの もじみればー
♪こなはま(おなはま)まではー みちいちりー

(常磐線)
仙台駅→(※注1)→岩沼駅→相馬駅(旧・中村駅)→原ノ町駅→浪江駅→双葉駅(旧・長塚駅)→富岡駅→木戸駅→広野駅→久ノ浜駅→いわき駅(旧・平駅)→内郷駅(旧・綴駅)→湯本駅→泉駅→勿来駅→大津港駅(旧・関本駅)→磯原駅→高萩駅→日立駅(旧・助川駅)→常陸多賀駅(旧・下孫駅)→水戸駅→友部駅→石岡駅→土浦駅→松戸駅→北千住駅→南千住駅→日暮里駅(※注2)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※注1 仙台駅→岩沼駅は東北本線の区間
※注2 当時は田端駅が終端

歌詞にある「(つづら)」とは、かつての綴駅(つづらえき)のことであり、現在の内郷駅(うちごうえき、福島県いわき市)のことをいいます。

また、「湯本(ゆもと)」とは、現在の湯本駅(ゆもとえき、福島県いわき市)のことであり、いわき湯本温泉の最寄り駅のことをいいます。

いわき湯本温泉(いわきゆもとおんせん)は、この地域の風光明媚な温泉街で、約1600年もの歴史があります。
あくまで私の想像であり事実ではないかもしれませんが、かつてこの地域で猛威を振るった平将門をはじめとする関東平氏や岩城氏(いわきし)、相馬氏(そうまし)も足しげくここの温泉へ通っていたのかもしれませんね。

世に名を馳せた豪傑(ごうけつ)には、大の温泉好きが多いことが知られています。あの徳川家康も大の温泉好きで、静岡県の熱海温泉に頻繁に通っていたとされています。また、豊臣秀吉も無類の温泉好きで、有馬温泉に頻繁に通っていたとされています。

私(筆者)も、彼らのような豪傑ではありませんが、温泉は大好きです!お風呂や温泉でリラックスすると、色んなアイデアがひらめいたりします(私だけですかね?)。

湯本駅の発車メロディーには、この地域に縁(ゆかり)がある野口雨情(のぐち うじょう)さんの作詞された「シャボン玉」という童謡が使用されています。
野口雨情さんは、茨城県の磯原町の出身であり、20世紀前半に活躍された詩人です。

泉駅(いずみえき、福島県いわき市)は、歌詞にあるように小名浜(おなはま)という港に近い駅となります。
小名浜港は、鉄道を使った貨物輸送を担う、重要な港です。

歌詞の原文では「こなはま」と詠まれていますが、現代では「おなはま」と読むのが一般的でしょう。
昔は今ほど読み方や漢字の表記が統一されていなかったので、こうした表記揺れは仕方ありません。

福島県いわき市近辺には、明治時代に「磐城炭鉱(いわきたんこう)」という、沢山の石炭が採れる山がありました。現代のエネルギーはガソリン、石油、電気などですが、明治時代は石炭でした。列車を動かすにも、電気を作るにも、また当時は軍事力のためにも、何をするにも石炭が重要だったために、石炭をいかに効率よく運ぶかが重要でした。また、当時は長距離トラックや航空輸送が一般的でなかったために、船を使った大量輸送が必要でした。そのために、小名浜港は整備されたものと思います。

小名浜港へは、現在でも「福島臨海鉄道」という貨物路線が出ています。
昔は長距離トラック輸送や航空輸送などが発展していませんでしたから、船による海を使った貨物輸送と、鉄道による貨物輸送が主流だったわけです。
そのため、海から運んできた荷物を、小名浜港で貨物列車に載せ替えて、小名浜駅から首都圏などへと運んでいたのでしょう。

こうした例はかつて全国に存在していました。
例えば、静岡県の清水地区からは、三保の松原方面へ貨物列車が延びる清水港線(しみずこうせん)がありました。
また、広島県も広島駅から宇品港方面へ延びる「宇品線(うじなせん)」がありました。

しかし、こうした港まで延びる貨物路線は、現在ではほとんど廃止されています。理由は、1960年代以降は高速道路が充実し、トラックによる高速輸送の方がコストパフォーマンスが良くなってきたからです。また、航空機による貨物輸送も充実してきたことが挙げられます。
ただ、近年は二酸化炭素排出の少ない鉄道による貨物輸送が再評価されつつあるようです。

小名浜は、こうした貨物路線が未だに残っているところが凄いですね!

次は、勿来(なこそ)方面へ向かいます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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