宗谷本線の旅!美深駅(美深町)の歴史や幻の美幸線、アイヌ語地名の由来まで、わかりやすく解説してゆきます!

北海道・美深町の景色の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
今回は、名寄→美深→音威子府の行程
さて、今回は名寄駅(北海道名寄市)を出て、宗谷本線をさらに北上してゆき、
- 音威子府駅
- 天塩中川駅
の方面へと向かってゆきます。
名寄駅を出て、音威子府(おといねっぷ)方面へ
名寄駅を出ると、まずは
- 美深駅
を過ぎ、音威子府方面へ向かってゆきます。
この時点で、宗谷本線の半分以上は進んできています。
美深町(びふかちょう)とは
天塩川が流れる自然豊かな美深町

北海道・美深町の景色の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
美深町は、北海道北部の上川総合振興局管内に位置し、町に雄大な天塩川が流れる自然豊かな町です。
この美深町においては、朝と昼の寒暖差の激しい気候を活かした、農業や林業が盛んです。
白樺樹液やキャビアなど独自の特産品
また、美深町は
- 特産品の白樺樹液
- 日本最北のチョウザメ養殖によるキャビア
などで全国的に知られています。
かつて林業の拠点として栄え、美幸線が分岐した歴史
先にも述べた通り、美深町は豊富な森林や資源があることから、かつては林業の拠点として大いに栄えてきました。
そして、多くの場所に運んでは販売して利益を上げることで人々の暮らしは成立してきたのでした。
また、そういった貴重な林産資源の輸送(各地への販売)を目的として、まだ自動車が普及していなかったかつては美幸線という鉄道路線の分岐点でもありました。
美深町についての基本的な用語のやさしい解説
上川総合振興局とは
美深町の所属する上川総合振興局とは、(北海道の行政の中心機関である)北海道庁の出張所のような役所のことです。
すなわち、北海道庁が人々の暮らしの便利(便宜を図る)のために、地方の各地へ進出してきたような場所ですね。
北海道はとても広いので、道庁所在地の札幌だけでは北海道の全エリアの面倒を見きることはできないわけです。
したがって、振興局と呼ばれるいくつかの地域(エリア)に分かれて行政の窓口が置かれています。
旭川市や美深町などは、この「上川」というエリアに属していますよ!
天塩川とは

天塩川(画像はあくまでAIによるイメージです。)
美深町を流れる天塩川とは、北海道の北部を流れる、日本で4番目に長い川です。
- 一番長い川:信濃川(新潟県や長野県、長野県での呼び名は千曲川、367km)
- 2番目:利根川(主に群馬県など関東地方、322km)
- 3番目:石狩川(北海道中央部、268km)
- 4番目:天塩川(北海道北部、256km)
- 5番目:北上川(主に岩手県など、249km)
天塩川は、北海道の北部にあたる大自然の原野をゆったりと流れていて、途中にダムが一つもないことでも有名です。
カヌーで川下りを楽しむ人たちにも大人気の清流ですね!
白樺とは
白樺とは、白い樹皮がとても美しく、高原や北国の風景によく似合う木のことです。

白樺林の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
春先にこれらの木から採れる「樹液」は、ほんのりと甘く、ミネラルがたっぷりです。
美深町では、こうした白樺の樹液は、飲み物やコスメの原料として大活躍していますよ!
チョウザメとは
美深町など日本最北エリアに当たる名物のチョウザメは、名前にサメとつきますが、実はサメではなく、あくまでも古代魚の仲間です。
チョウザメは、「サメ」と異なり人を襲うこともなく、ゆったりと泳ぎます。
美深町の澄んだ冷たい水を利用して、国内でも珍しいチョウザメの養殖に成功したことで有名になりました!
キャビアとは
キャビアは、世界三大珍味の一つとして有名な、チョウザメの卵の塩漬けのことです。
このキャビアは、プチプチとした食感と濃厚な旨みが特徴の高級食材ですね。
美深町では、最北エリアの地ならではの自前のチョウザメから新鮮な国産キャビアを作っていますよ!
美幸線とは
美幸線とは、かつて美深駅から山の中へと延びていた、国鉄のローカル線です。
オホーツク海側の枝幸町を目指して作られましたが、後述する様々な理由により、途中で工事がストップしてしまいました。
日本一の赤字路線としても名前が知られた幻の鉄路です。
詳しくはこの後解説します。
かつて美幸線(びこうせん)との分岐駅だった、美深駅

かつて美深と枝幸を結んでいた、美幸線(画像はあくまでAIによるイメージです。実際の景色・車両等ではありませんので、ご了承ください。)
美深駅(北海道中川郡美深町)から東の方面へは、かつて
- 美幸線
という路線が出ていました。
オホーツク海岸側の枝幸町(えさしちょう)へと至っていた路線
美幸線は、美深町からさらに北東にある、オホーツク海岸側の
- 枝幸町
という町までを繋げることを目的としていた路線です。
- 美:美深
- 幸:枝幸
で、美幸線です。

枝幸町の景色の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
実際には、途中の辺渓駅(ぺんけえき)・仁宇布駅(にうぷえき)までだった
しかし実際には枝幸町まで繋がることはなく、すぐ途中にある
- 辺渓駅
- 仁宇布駅
までを結んでいた、わずか約20キロにおよぶ路線が建設されたに過ぎませんでした。
すなわち、美深駅から東へ約20キロの山深くにある仁宇布駅までの区間を走っていたに過ぎなかった、というわけです。
さらに、その美深駅から仁宇布駅までの区間すらも、1985年には廃止になってしまいました。
人口減少・自動車には勝てずに廃止となった
やはり、最初は
と意気込んで建設しようと試みたものの、
- 人口減少と自動車の普及(モータリゼーション)には勝てず、
- また、たとえ建設したとしても、利益が上がらないことがわかっているのならば、建設意義も無くしてしまう
ため、建設断念・廃止へと追い込まれてしまったのでしょう。
ペンケニウプ川に沿って走っていた、美幸線
また、美幸線は「ペンケニウプ川」という川に沿って走っていました。
- 辺渓駅(北海道中川郡美深町)
- 仁宇布駅(北海道中川郡美深町)
という独特な駅名は、この「ペンケニウプ川」に由来しているわけですね。
アイヌ語:「ペンケ」→上 パンケ→「下」はせめて覚えておきたい
「ペンケ」とは、アイヌ語で「川上の~」という意味です。
「ニウプ」とは、アイヌ語で「森林」を意味します。
すなわち、「ペンケニウプ」で「川の上に繁る森林」のような意味になるでしょう。
類語として、「パンケ」はアイヌ語で「川の下の」という意味になります。
「ペンケ」「パンケ」の地名の例
美深町からさらに北西の幌延町にあるサロベツ川の横に、
- 「ペンケ沼」
- 「パンケ沼」
があります。
確かに、
- ペンケ沼の方が、川の上流側に
- パンケ沼の方が、川の下流側に
あるため、こう考えると似た名前でも覚えやすいです。
「砂川」「歌志内」も、「ペンケ・ウタシュ・ナイ」が語源
また、北海道では比較的知られる地名である
- 歌志内
- 砂川
は、どちらも地名の語源が同じです。
これは「ペンケ・ウタシュ・ナイ」(砂の多い川の上流)と言う意味からきています。
すなわち、
- 砂の多い川だから「砂川」
- ペンケの文字が外れて「歌志内」
となったわけですね。
このペンケが「上流」にあたるため、反対側が「パンケ(下流)」と覚えておくとよいでしょう。
枝幸(えさし)は「江差(えさし)」と語源が同じ
そして、はるか北東・オホーツク海側にある町である枝幸は、道南・西海岸側の江差と語源が同じの地名になります。
江差は、かつて
- 木古内駅(北海道上磯郡木古内町)
から
- 江差線
で北西方面へ進んだ先にある町であり、檜山地方の町です。

かつての道南・江差線の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
木古内駅は、
- 北海道新幹線
- 道南いさりび鉄道
が分岐する駅です。
檜山地方の江差町と区別するため、
- 檜山江差
- 北見枝幸
と呼ばれ、区別されます。
今や廃止された路線の多い北海道
前回、名寄駅から名寄本線と深名線という路線が出ていた、という話をしました。
すなわち、北海道には(今は多くが廃止になっているものの)かつてたくさんの路線があったということですね。

かつての美幸線の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
次回は、音威子府へ
おわりに:次回は、音威子府駅(北海道中川郡音威子府村)に到着します。
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