電車を走らせるために欠かせない変電所について、変圧や整流、き電といった仕組みなどについても徹底解説してゆきます!

変電所の例(画像はあくまでAIによるイメージです。実物・実際の景色ではありませんので、ご了承ください。)
変電所

変電所の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
鉄道における変電所は、一言で言うと以下のような重要な役割を持つ施設です。
- 発電所から送られてくる、そのままでは強すぎる高い電圧(特別高圧)の電気を受け取り、
- 電車のモーターが安全かつ効率よく走れるレベルの電圧へと、使いやすい大きさに変換(減圧)し、
- 線路の上に張られている架線(き電線)へと、絶え間なく(各地の電車が走れるように)電気を送り出すための施設
のことをいいます。
⚠️注意:今回の内容(変電所の話題)は難しいです!
今回の内容は電気に関するかなりマニアックな内容も含まれます。
何のことやらわけわからずチンプンカンプンになってしまう前に、まずははじめに以下の記事をご覧くださいね!

「直流?交流?そんなの知ってるよ!」という方は、是非以下をご覧くださいませ。😅
電車が動くためには不可欠な変電所
変電所は、鉄道が動くためのまさに「心臓」のような存在です。
そのため、変電所がなければ電車は1歩も動くことができないというわけですね。

変電所の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
例えば、
- 踏切の近くや線路脇にある、
- 高いフェンスで囲まれた、
- 大きなトランス(変圧器)が並んでいる施設
を見かけたら、それこそがまさに電車を動かすための心臓部(=変電所)ということになります。

(画像はあくまでAIによるイメージです。実際の景色・車両等ではありませんので、ご了承ください。)
変電所が止まってしまうと、鉄道全体も止まってしまう

変電所の例(画像はあくまでAIによるイメージです。)
もしも、この変電所という心臓部が万が一止まってしまうようなことがあれば、電車はまともに走れなくなります。
そのため、鉄道網という巨大な身体のすべての機能がストップしてしまいます。
このように考えると、普段我々が目にすることがないような目立たない場所にある変電所が、いかに「裏方」として大切な役割を果たしているかがよく分かりますね!
今回は鉄道の変電所について、その仕組みと重要なポイントを整理して解説しますね。
変電所の主な役割
鉄道の変電所には、安全で快適な運行を支えるために、様々な大切な役割があります。
変電所の役割:電圧を適切な値に変換する(変圧)
普段、電力会社の発電所から送られてくる電気は、送電中のロス(損失)を少しでも減らすために、数万ボルト〜数十万ボルトという、途方もなくありえない高い電圧となっています。
すなわち、そのままの電圧では強すぎて、電車に流すことができないというわけです。
まともにやると、爆発などの大事故に発展する可能性もあります。
電圧を、ちょうどいい(安全な)値にまで下げる
このように変電所においては、電圧を電車が安全かつ効率よく使えるための、まさにその場にふさわしい適切な値(例えば、JRの一般的な在来線であれば、直流1,500ボルトなど)まで、ちょうどいい大きさの電圧にまで下げる(変圧する)という役割があるわけです。
このように、電気を(事故を起こさないような安全なまでのレベルの)適切な強さに整えることが、変電所の第一の任務となります。
変電所の役割:電気の種類を変える(整流)

直流(左側)と交流(右側)(画像はあくまでAIによるイメージです。)
日本の一般的な(電車だけではなく全ての)電力網を流れているのは、常に電気が(プラスやマイナスの方向に)行き来している「交流」という種類です。
しかし、日本の多くの在来線(都市部の通勤電車など)は、一定方向に流れる「直流」の電気で動いています。
すなわち、電力会社から届いた電気を、そのままでは電車に使うことができないという、電気の種類のミスマッチが起こっているというわけです。
このような問題を解決するために、変電所は、
- (発電所から)届いた交流の電気を、(電車が使えるように)効率よく直流へ変換するための、「整流器」
という、非常に重要な役割を持つ機械を備えているというわけですね。
変電所の役割:電気を区切って供給する(き電)

変電所の第3の役割とは?(画像はあくまでAIによるイメージです。)
変電所の役割は他にも、
- 線路(き電線)を、いくつかの決まった区間にそれぞれ細かく分け、
- それぞれのエリアに対して、電気を効率よく配ること
という役割があるわけです。
すなわち、あらかじめ存在している1本の長い線路に対してまとめて電気を流すという(非効率なやり方)のではなく、ブロックごとに小分けにして管理しているというわけです。
き電:変電所から、線路の上にある架線(電線)へ向かって、電車を動かすための電気を送り出すことと、およびその仕組み全体のことです。

架線とパンタグラフ(画像はあくまでAIによるイメージです。)
しかしながら、もしどこかの電車で故障や事故、落雷などが起きてしまった場合、すべての電気が止まってしまうと大混乱になってしまいます。
変電所においては遮断機によって、適切に電気を止めてトラブルを回避する
こうした危険なトラブルを解決するため、
- 変電所に設置されている「遮断器」という装置が、
- トラブルの起きたその区間だけを瞬時に見つけて、電気を止めることで、
- 被害を最小限に抑えて、他のエリアの電車を走らせ続ける
ことができるというわけです。
遮断器:鉄道の線路や変電所の設備に異常な電流が流れたときに、回路を強制的に切り離して電気の流れをピタッと止めるための巨大な安全スイッチのことです。
直流変電所と交流変電所の違い

(画像はあくまでAIによるイメージです。実際の景色・車両ではありません)
鉄道には「直流」と「交流」の2つの電化方式があり、それによってそれぞれ変電所の性質も異なります。
主な設備
- 直流方式の場合:変圧器 + 整流器(交流を直流に変える。電車にとって使いやすくするため。)
- 交流方式の場合:変圧器のみ(電圧を下げるだけ。変電所が存在しなくても、車両に搭載した変圧器によって、自在に電圧をコントロールできる。)
変電所の設置間隔
- 直流:約5〜10km(こまめに設置が必要)
- 交流:約20〜50km(間隔が広くて済む)
したがって、交流方式でも全く変電所がいらないというわけではありませんが、直流方式に比べてはかなり少ない数の変電所で済むことがあり、直流方式に比べたら変電所の数を減らせる分、(特に地方の電車においては)コストが安上がりになる場合があります。
直流と交流のそれぞれの特徴
- 直流:電車側に載せる重い変圧器が不要なので、車両を軽く・安く作れます。
- 交流:送電効率が良く、大量の電力を必要とする新幹線などに向いています。
豆知識:なぜ変電所が必要なのか?

(画像はあくまでAIによるイメージです。)
電気は長い距離を進み続けると、やがて熱になって逃げてしまう(送電ロス)という大きな弱点があります。
すなわち、
- 初めから、より高い電圧で運ぶほど、電気のロスは少なくなります。
- しかし、それをそのまま電車に流してしまうと、あまりにも電圧が高すぎてしまいます。
- そのままだとやがてショートしてしまい、大爆発してしまいます。
これはもはや大事故ですね。
したがって、そうなることを防ぐために、
- 送電の時には、初めは高電圧によって効率よく電気を送り、
- (電車など)電気を使う直前で、適切で安全な電圧のレベルに落とす
という仕組みが必要になってきます。
そして、その最前線基地として、まさにこの変電所が活躍しているというわけです!
整流器(せいりゅうき)とは
整流器とは、
- 電流の流れる方向が常に一定の「直流」
- 周期的に入れ替わる「交流」
のうち、交流を直流に入れ替えるための装置のことを言います。
例えば、スマホの充電器(アダプタ)も、コンセントの交流を直流に変えていることになります。
そのため、スマホの充電器ですらも、いわば小さな変電所のようなものですね!
直流変電所と交流
先ほどにも述べた通り、鉄道の電化方式には「直流」と「交流」があり、変電所の役割も少し異なります。
直流と交流の変電所の違い
結論から言うと、前回の「交流を直流に変換する(整流)」というお話は、日本の多くの在来線で採用されている「直流電化」というシステム特有のお話だというわけです。
すなわち、すべての鉄道が同じ仕組みで動いているわけではないというわけです。
直流区間の変電所(JR山手線など)
この区間では、
- 変電所の中であらかじめ「交流→直流」への変換を済ませ、
- さらに、電圧も電車が使える強さまで下げてから、
- 線路の上の架線に電気を流す
というわけです。
したがって、直流区間の変電所には、電気の種類を変換するための巨大な「整流器」という高価な機械が絶対に必要になるというわけです。
しかし、変電所の設備が非常に大がかりで複雑になってしまうため、
たくさんの変電所を短い間隔で設置しなければならないという懸念点もあるというわけです。
交流区間の変電所(新幹線や東北・九州など)
また、新幹線や東北・九州地方などのエリアで採用されている「交流電化」の地域では、
- 変電所では、電圧を単に使いやすい大きさに下げるというだけで、
- 電気の種類は変えずに、交流のまま架線に流す
というわけです。
したがって、直流区間のように巨大な整流器を置く必要がないため、変電所の設備自体は比較的シンプルでコンパクトに済むというわけです。
しかし、その代わりに、電気を安全な形に変えるための大きな役割や負担が、今度は「車両側」へと移るというわけです。
列車に載せるトランス(変圧器)の関係

交流方式の列車に載せる変圧器(トランス)(画像はあくまでAIによるイメージです。)
すなわち、電車自身が強力な電気の加工工場にならなければいけないというわけです。
このように考えると、
- 「列車に載せるトランス(変圧器)」は、
- 実は交流電化の区間において、スムーズに走るための非常に重要な主役になる
というわけです。
したがって、交流区間を走る新幹線などの床下には、高性能なトランスが必ずギッシリと搭載されているというわけです。
トランス:電圧を必要な大きさに高くしたり、低くしたりして変換するための「変圧器」と呼ばれる電気の機械のことです。
直流列車の場合
直流区間を走る電車の場合は、
- 線路の脇にある変電所側が、あらかじめ
- 「電車のモーターがそのままダイレクトに使える電気」に、
- 完璧に加工して届けてくれている
というわけです。
すなわち、直流方式の場合は、
- 列車の中に、わざわざ電気を変換するための大がかりな設備を持つ必要が、一切ない
というわけです。
したがって、重くてスペースを取る大きなトランス(変圧器)を、車両の床下に載せる必要はありません。
車両の軽量化にもつながる直流方式
このように、直流方式の場合は車体側のメカニズムを非常にシンプルに設計することができるというわけです。
その結果として、車両全体の重量を軽くすることができ、さらに製造コストも大幅に安く抑えて、大量に作ることができわけですね。
しかし、そのぶん地上の変電所にすべての負担とコストがかかっているという、それとは逆の裏返しの関係性があるというわけです。
製造コスト:鉄道の車両を新しく1両組み立てて走らせるまでに必要となる、材料費や技術費などの費用のことになります。
直流列車は、トランスのような高価で重い特殊な電気機器を載せなくて済むことになります。
そのため、実に何百両、何千両という大量の車両をまとめて用意しなければならない大都市の鉄道会社にとっては、直流方式は大幅なコストカットにつながるというわけです。
交流列車の場合
一方、交流区間を走る電車の場合は、線路の上の架線に、実に2万ボルト(新幹線では2万5千ボルト)以上もの、まさに目もくらむような非常に高い電圧の電気が、そのまま流れているというわけです。
しかし、
- そんな桁違いの電気をそのまま流してしまうと、
- 電車の心臓部であるモーターがたちまち焼き切れて、壊れてしまう
というわけです。
つまり交流方式において、地上側の変電所が(電圧を下げる作業を)やってくれない代わりに、電車が走りながら自分自身で電気を優しく加工しなければいけない、というわけです。
したがって、
- 列車自身の床下に、強力な「トランス(変圧器)」をしっかりと載せて、
- 車内で、安全な大きさにまで電圧をグッと下げてから使うことになる
というわけです。
このように、交流列車は1両ごとに小さな変電所を引っ提げて走っているようなものだというわけです。
電圧:電気を押し出す力の強さのことであり、ボルト(V)という単位で表されるものになります。
すなわち、
- 「変電所で頑張る(直流)」か
- 「車両が頑張る(交流)」か
という、それぞれの分担の違いがあるというわけです。
おわりに・まとめ
すなわち、鉄道の安全を陰で支える重要な存在なのですね!
仕組みは少し難しく感じられたかもしれません。
しかし、その役割を知ると鉄道がもっと面白くなりますね!
したがって、万が一変電所が止まると、鉄道全体に影響が出てしまうということもわかりました。
もしかしたら窓の景色も今までとは変わってみえてくるかもしれませんね!
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